Quantcast
Channel: これ、誰がデザインしたの?
Viewing all 233 articles
Browse latest View live

切手のデザイン

$
0
0
ライター渡部のほうです。

超余談。

古い切手をたくさん持っていて、とはいえ、コレクターではないので、使うために持っているのだけれど、全然整理というものをしておらず、なんとなく今年の夏にファイルやアルバムに入れる、ということを始めた。

b0141474_1020962.jpg

額面と種類毎に分けたり
b0141474_10202793.jpg

記念イベントごとに分けたり。

1964年のオリンピック記念の寄付金付切手はいかにも「まだお金ない、でも復興するぞー」という感じで勢いがある。東京国立近代美術館で行われた『東京オリンピック1964 デザインプロジェクト』の図録に切手のことも書いてあったはずなので、あとでデザイナーなど表記してあったか見てみよう。
と、思ったけど、さすがマニアの多い切手の世界。
日本郵便にネタが http://kitte-design.post.japanpost.jp/inside/03/03_01.html
寄付金付は「久野実、木村勝、大塚均、長谷部日出男ら、当時の技芸官が総出で原画を担当。さらに、印刷局からも原画・凹版制作に笠野恒雄、押切勝造、渡部文雄ら8名が参加するという一大プロジェクト」とのこと。
ちなみに民営化されるまで、切手デザイナーではなく「技工官」と呼ばれておりました。
建築切手は渡辺三郎。

1970年の万博記念
b0141474_1030732.jpg

万博の広場の後ろで花火がどーん。祭だワッショイ!!
これは技工官を調べきれず。切手マニアの資料のどこかにあると思いますが。

一生掛けても使い切れないんじゃないかと思うほど持っているので、多分、この整理作業も一生やっていける趣味だ。楽しい。
切手コレクターが見たら怒り出しそうな整理の仕方だが、いいのです!だって使う用だから、と言い切っているものの、なかなか減って行くものでもない。
海外の人と文通でもしようかな。

PAPER MOVEMENT 紙が動く、心が動く展

$
0
0
編集宮後です。
久しぶりの投稿です。

9月25日から渋谷ヒカリエ8Fで、かみの工作所の新作展「PAPER MOVEMENT 紙が動く、心が動く展」が始まりました。

かみの工作所は、東京立川の福永紙工がディレクターの萩原修さんやデザイナーさんと一緒に紙の可能性を追求するプロジェクトで、9年前から数々の製品を自社で製造し、世に送り出してきました。

前回も同じ会場で「ゲーム」をテーマにした製品発表が行われましたが、今回のテーマは「紙が動く」です。「動く」というのは難しいテーマのように思えますが、参加されたデザイナー4組はそれぞれの視点から「動く」を解釈して、アプローチしていてとても興味深かったです。

展示入り口から順にご紹介すると

b0141474_2083785.jpg

POINT/長岡 勉|建築家

b0141474_2092011.jpg

原田 祐馬|アートディレクター/デザイナー

b0141474_2094822.jpg

村越 淳|プロダクトデザイナー

b0141474_2010517.jpg

switch design|プロダクトデザイナー

それぞれの作品コンセプトもうかがってきましたが、ネタばれになってしまうので、ぜひ会場で説明を読んでみてください。特に印象的だったのは、原田さんの作品(植木鉢のカバー)。水に溶けるインキを紙の植木鉢カバーに印刷し、カバーが水を吸うと美しい滲み模様が浮き上がるプロダクト。何種類もの紙やインキで滲み方を検証したそうで、その実験過程も展示されています。

会場では、今回の展示作品および過去の製品も販売されていますので、ぜひお気に入りを見つけてみてください(テラダモケイの本 第二弾も販売していただいております)。
b0141474_2017977.jpg


ただ製品を売るのではなく、デザイナーの考えを伝える活動してきたかみの工作所。10年近くも続いているのは、デザイナーと製造現場が一体となり、いつも新鮮な驚きを与えてくれるからなのかなと思いました。新しく始めるより、続けていくほうが難しいのですよね。何事も。

PAPER MOVEMENT 紙が動く、心が動く展
会場:渋谷ヒカリエ8F [8/CUBE1,2,3] 渋谷区渋谷2-21-1
日時:9月25日(金)~ 10月11日(日)11:00 ~ 20:00
※最終日のみ18:00閉場
http://www.kaminokousakujo.jp/news/2015/08/paper-movement.html

Tokyo Art Book Fair 2015

$
0
0
編集宮後です。
続けて、9月19〜21日で開催されたTokyo Art Book Fair。

昨年までユトレヒトの江口さんを中心に企画されていましたが、今年からPostの中島さんのチームによる企画で、会場構成なども少し変わりました。

今年は、スイス大使館協力のもと、スイスのブックデザインが展示されたり、オランダのブックデザイナー、イルマ・ボームの展示があったり、海外から多くの出版社が参加していたり、海外からの参加が目立った気がします。

b0141474_20422539.jpg

b0141474_20423027.jpg

スイスの展示(上)とイルマ・ボームの作品(下)。イルマの本の一部も販売され、大人買いしていく人も。

b0141474_2113287.jpg

昨年と変わらなかったのは、プリンター・ブース。紙や印刷加工にかかわる企業が出展している部屋で、紙の総合商社 竹尾の提供で、紙見本が持ち帰れるコーナーもありました。

b0141474_20504565.jpg

b0141474_20505843.jpg

今年よかったなと思ったのは、紙を使った会場のサイン。NTラシャを全紙サイズでランダムに貼り重ねただけですが、色もカラフルで美しく、高揚感もあり、会場をまとめるアイデンティティとしてもうまく機能していました。パンフレットのデザインもサインデザインに連動していて、よかったです。

あまりちゃんと見て回れなかったのですが、去年より出展者も来場者も増えている気がしました。私が日々直面している出版をとりまく現状と対照的な光景が繰り広げられていて、いろいろ考えさせられます。素敵な本をたくさん見て気持ちが高揚する一方で、この状況を生み出している原因を考えると無邪気に喜べなかったり。とはいえ、写真集やアートブックなどのビジュアルを中心とした本のよいところは、翻訳しなくても世界中で流通できる可能性があること。言葉の壁を越えて広がっていけるような本をつくりたいと思ったのでした。

10-11月のタイポグラフィ関連イベントまとめ

$
0
0
編集宮後です。
10-11月のタイポグラフィ関連イベントをまとめました。
だいたいカレンダー順に並べています。新情報が入り次第、追加します。

10月3日〜11月15日
展覧会「Black White Type Things, Bernd Kuchenheiser」
print gallery(白金高輪)
http://www.printgallerytokyo.com/ex-bernd-kuchenbeiser.html

10月25日
イベント「文字フリマ」
渋谷区総合庁舎(渋谷)
http://mojiflea.market

11月4日〜28日
展覧会「字字字 大日本タイポ組合」
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(銀座)
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000667

11月4日〜27日
展覧会「センチュリー文化財団寄託品展覧会 太平の美 書物に見る江戸前期の文化」
慶応義塾図書館展示室、慶応義塾大学アートスペース(三田)
http://www.art-c.keio.ac.jp/news…/event-archive/century2015/

11月13日
講演会「第28回斯道文庫講演会 古活字版のタイポグラフィ 活字・組版・異版」
慶応義塾大学三田キャンパス東館8Fホール(三田)
http://www.sido.keio.ac.jp/info/index.php

11月8、14、21、28日、12月4、17日(全6回)
連続セミナー 【第20期 希望塾】
講師:小林章、小宮山博史、山本洋司、葛西 薫、浅葉克己
DNP銀座ビル3F(中央区)・11月8日のみ東京工芸大学 中野キャンパス(中野区)
http://tdctokyo.org/jpn/?p=4931

11月10日
ワークショップ「TypeTalks 第32回 筆を持って文字を書いてみよう!  橘流寄席文字ワークショップ」
青山ブックスクール(青山ブックセンター本店内:表参道)
http://www.aoyamabc.jp/culture/typetalks32/

動物ビスケットの歴史

$
0
0
ライター渡部のほうです。

ずっと追いかけてリサーチしているのに、まとめていないテーマ(こういうものがいくつもある)の1つが「動物ビスケット」。

b0141474_10431942.jpg

(昔撮った写真、ブレブレだ…)

忘れないうちに概要を書き留めておくことにする。

量産され、一般的に市販される動物ビスケットが登場したのは、1900年前後のヨーロッパとアメリカから。

現在、歴史を公表しているもので代表的なものは

アメリカ Stauffer’s 1871年〜
http://www.stauffers.com/our-snacks/animal-crackers.html
http://www.stauffers.com/about-us/our-history
b0141474_9364399.jpg


アメリカ Nabisco (当時ナショナルビスケットカンパニー、現モンデリーズ・インターナショナル傘下) Barnum's Animals Crackers 1902年〜
http://www.snackworks.com/products/product-detail.aspx?product=4400001380
b0141474_9375667.jpg

b0141474_938996.jpg


後者は、当時米国を巡業しで人気を博していた「バーナム&ベイリーサーカス」からアイデアを得た商品。
b0141474_948227.jpg

1897年頃のポスター。
サーカス(曲芸を見せる)、珍しい動物、畸形と、今からは考えられないような組み合わせだったりもするが、人々の好奇心をそそるものを次々とショウにして見せた。
19世紀半ばから1920年代まで流行した欧米の「エキゾチズム」がこのイベントにも反映されている。
ラクダ、ライオン、象、シマウマなど、アメリカ大陸およびヨーロッパにいない動物は、ほとんどは檻に入れられ「見世物」として人気を博した。
パッケージも「檻」に入っていることが特徴とされる。
現在出ているものは、動物側からの視線、つまり檻の柵は奥になっている。

動物ビスケットの普及の背景には
こうしたエキゾチシズムが1つ。
また、子供用商品の市場拡大も大きな理由である。
19世紀半ばより、「子供」を対象とした市場が発展する。
これに関してはまだリサーチ不足。

子供自身が消費者になる、子供という市場が生まれる、ことに関しては、
『子どもをめぐるデザインと近代』神野由紀著 世界思想社 2011年刊 が詳しいのだけれど、日本の話だけなので、欧米の事情について書かれた本がないのか、探し中。
『The Younger Generation』 Ellen Key著 1914年(『兒童の世紀』として1916年に邦訳が出ている)が参考になるのかも。未読。
どうも一冊でまとまっているようなものが見つけられない状況。

かなりざっくりしたまとめで言うと
工場による大量生産品が普及すると同時に、消費者である中間富裕層も増えている。
子供向けの本、子供向けの服など以外の商品にも波及。
動物の形をした食品は、子供も消費者になりうる、ことを証明した商品である。

と、言いたいものの、19世紀末から20世紀初頭のサーカスと動物のように、珍しい物を見たい大人向け、だとすれば、文脈が少し変わってきそうだ。

日本で動物ビスケットが始まったのはいつなのか、はっきりしない。
現在、様々な種類が出ているが、型のスタイルからして古そうなものは
カニヤ 
http://www.yin.or.jp/user/kaniya/seihin.htm#doubutu ただし現在は1トンからの受注生産のみ。
おそらく同じ型を使っていると思われる、
梶谷食品 
http://www.kajitani-shokuhin.co.jp/product/index.html

b0141474_10434156.jpg

(こちらも昔撮った写真。ブレブレ…失敬)
別の会社なのに同じ形のビスケットなのはどうしてなのか?
以前問い合わせたところ、ビスケットメーカーは型屋から出来合いの型を買うことがあったから、同じ型のビスケットがあるのだろう、とのこと。今だとそれぞれのメーカーで固有の形になっているのが普通のような気がするのだけれど、ひょっとすると、今でも同じ型を購入した別会社のビスケットというのがあるのかも。

カニヤと梶谷食品の動物ビスケットは、こうもり、イノシシ、ハト、など童謡や童話から持ってきたモチーフがあることが特徴的。

ヨーロッパを中心に世界的に販売されているドイツのBahlsenバールセン社のZOOビスケット。 1966年に発売(来年で50周年)
b0141474_22125542.jpg

http://www.leibniz.de/produkte/zoo-original.html#/slide_1
動物がたくさんいるところ=zoo 動物園 という考え方。
今、この商品はZOO オリジナル、という名前に。
(ちなみにLEIBNIZ ライプニッツというブランドネームは、1889年創業のバールセン社が1891年哲学者のライプニッツにちなみ付けたビスケットの名前が、その後ブランドネームとなったもの、だそう)

シリーズ物はそれぞれ正確に何年発売かまだ調べてないが、ここ数年の間だと思われる。
Zoo Bauernhof (ZOO 農場)
b0141474_22131034.jpg

http://www.leibniz.de/produkte/zoo-bauernhof.html#/slide_1
オリジナルのウサギが鎮座しているのに対して、農場のウサギは飛び跳ねている、など、全体的に動きのある動物が描かれている。

Zoo Waldtiere (ZOO 森の動物)
b0141474_22132373.jpg

http://www.leibniz.de/produkte/waldtiere.html#/slide_1
Zoo Waldtiere (ZOO 森の動物)は現物をまだ見たことがないのだが、鹿やリス、キツネなど、本当にドイツの森の中にいる動物を扱っている。

バールセンに限らず、世界中で動物ビスケットは多く出されており、近年(大体10年くらい)の傾向として、童話に現れたり、動物園にいる珍しい動物よりも、農場やジャングルといった動物が自然に近い漢強の中で描かれているものが多くなっている。
特に「ジャングル」ものは多く見られるが、どこのジャングル(南米なのか、アジア圏なのか、アフリカ圏なのか)など曖昧なものが多い。今後もっと細分化されていくのではないだろうか。

こうした動物ビスケットモチーフの自然化の背景には、動物の権利を考える発想がある。
動物の権利に関しては、1970年代から始まった動きだが、年々その考え方が広まっている。
今、子供を持ち、育てる世代が1970年以降に生まれ育ったことを考えると、
動物といえば動物園にいる動物、という考え方に拒絶感を持ってもおかしくはない。

現状大体ここまで。
まだまだ調べることは多そうだ。

print galleryの展示

$
0
0
編集宮後です。
白金高輪にあるprint galleryでBernd Kuchenbeiserの展示を見てきました。

b0141474_11183262.jpg

b0141474_11184478.jpg


こちらのギャラリーは、もともとバーゼルでタイポグラフィを学び、デザイナーとして活動されてきた小泉均さんが開設したスペースで、現在は同じくバーゼルの卒業生である阿部宏史さんが運営されていらっしゃいます。白金高輪の商店街の奥にある小さなスペースですが、まだ日本に紹介されていないヨーロッパのデザイナーやタイポグラファーの作品を展示しているギャラリーです。いつも新鮮な作品を精力的に紹介してくださるので、たびたび足を運んでいました。「print」という名前のとおり、印刷物(ポスター、書籍、活版印刷物など)を中心に展示され、ご自身で企画された展示を中心に運営されているそうです。

10月3日から始まった「Bernd Kuchenbeiser: Black White Type Things」展は、ドイツ・ミュンヘンを拠点に活動するグラフィックデザイナー、ベルント・クーヘンハウザー(1969年生まれ)の書籍やポスターを展示した展覧会。クーヘンハウザー氏は、音楽レーベルECM、出版社ラース・ミュラー、文化交流期間ゲーテインスティテュート、アーティスト個人からの依頼を受け、幅広く活動するデザイナーで、「ドイツの美しい本」を数回にわたり受賞する実力派。

b0141474_11191320.jpg

b0141474_11192448.jpg


今回は彼から直接送ってもらったというポスターや書籍を展示されており、それらの作品をまとめた新聞形式の小冊子「Black White Type Things」(上)も会場で販売されています。この冊子はドイツで印刷されて運ばれてきたそう。

b0141474_11193450.jpg


スイス系のタイポグラフィが好きな方ならきっと好きな感じの作品です。入口のポスター(上写真)もかっこいいんですよ。

展示は、11月15日(月)まで。
ギャラリーが開いているのは、土日の13:30〜20:00と金曜、月曜の15:00〜20:00で、入場は無料。
白金高輪駅から徒歩5分くらい。小さな商店街のちょっと脇に入ったところにあります。
行かれる前にウェブサイトで最新情報を確かめることをお勧めします。

print gallery tokyo
港区白銀台1-8-6 1F
http://www.printgallerytokyo.com/


台湾ブックデザイン最前線 シンポジウム 告知

$
0
0
ライター渡部のほうです。

私も取材と執筆でお手伝いをした、東京藝術大学の台湾ブックデザインを紹介する書籍「T5」がいよいよ出版されることに。
店頭発売は11月後半ですが、その前に書籍の内容にからめたシンポジウムが行われます。

以下、スケジュールです。
「台湾ブックデザイン最前線 シンポジウム」
11月9日(月)
於:東京藝術大学上野校地 中央棟2F 第3講義室
東京都台東区上野公園12-8

14:00〜 開会挨拶
14:10~15:10 聶永真(アーロン・ニエ)講演
15:15〜16:15 何佳興 講演
16:25~17:45 シンポジウム:聶永真×何佳興×色部義昭×松下計(モデレーター:藤崎圭一郎)

18:00~ レセプション(大学内・大浦食堂)

b0141474_99143.jpg

b0141474_993051.jpg


聶永真(アーロン・ニエ)さんに関しては、このflickrサイトが分かりやすい。
https://www.flickr.com/photos/somekidding/

何佳興 さんはいくつかのサイトを見るといいかも。
こちらは本人のやっているレーベル Timonium lake としてのブログ
http://trostdernacht.blogspot.jp
こちらは紹介記事。
http://okapi.books.com.tw/article/3145

今年の夏、台湾に行って、台湾のブックデザイナーや出版社の人と話をして、本当に今、台湾のブックデザインが急激に進化していると感じました。
日本よりも面白いデザインが多いです、正直言って。

松下計さん、色部義昭さん、モデレーターでデザインジャーナリストの藤崎圭一郎さんとどんな話をするのか気になります。
(でも渡部はこの日行けません。もろもろ事情ありで…。悲しい)

LandorのOne Night Exhibition

$
0
0
編集宮後です。
ランドー東京オフィスで開催された「ONE NIGHT EXHIBITION」を見てきました。

b0141474_14404724.jpg


ランドーは、世界29箇所に拠点を構え、企業や商品のブランディングをグローバルに行うデザインカンパニー(上のポスターのタイトルで使われているのは、Didot LandorというDidotをベースにしたコーポレートフォントで、2007年まで使用されていたそうです)。渡部さんと制作した書籍『これ、誰がデザインしたの?』では、日本郵政の取材をさせていただきましたが、それ以外にも有名企業や商品のブランディングを多数手がけていらっしゃる事務所です。

b0141474_14413235.jpg

ランドー東京オフィスのウェブサイト
http://landor.co.jp/

そのランドー東京オフィスに勤務するデザイナーが自分自身のアイデンティティをタイポグラフィックに表現する展覧会を社内で行うというので伺ってきました。タイポグラフィをテーマに、一人一人のデザイナーが自身をどのように捉え、ポスターとして表現しているかが一望できるというおもしろい企画です。展示風景はこちら。普段は会議室として使用されている部屋にスタッフの方々の作品が展示されていました(縦長のバナーがスタッフの方々の作品です)。

b0141474_14391354.jpg

b0141474_14392045.jpg


奥の部屋には、世界中のオフィスでクリエイティビティを競い合う「Landor Creative Championship」から、特に評価の高かったブランディングプロジェクトが紹介されていました。カンヌで賞に輝いたパリオフィスの「Fedora」、サンフランシスコオフィスの「Nine suns」など、世界のランドーオフィスの仕事が拝見でき、とても刺激的でした。こちらのエリアは写真NGでしたが、ランドーのウェブサイトから一部の作品を見ることができます。特に印象に残ったのはムンバイ・オフィスの映像「Miss Chhotee’s」(このリンク先で映像が見られます https://vimeo.com/139194896)。オリーブやレモンをコマ撮りした映像が楽しい。インドやドバイなど、普段あまり目にすることがない地域のデザインを見られ、ローカルとグローバルの関係性が興味深かったです。

b0141474_1443255.jpg

ランドーのウェブサイト
http://landor.com/

ふだんは守秘義務のあるお仕事をされているので、東京オフィスへの出入りは制限されていますが、今回は招待者限定で展覧会を開催されたようです。時間と場所を区切ってオフィスを公開し、大勢の方々と交流するというアイデアがとてもいいと思いました。ほかのデザイン事務所でも参考になると思います。

アレキサンダー・ジラード展

$
0
0
ライター渡部のほうです。

今、ロンドンにおり、まだ6日の夕方なのですが、日本はすでに土曜日。
今日までやっている展覧会、是非是非時間のある方は、行ってみて欲しい。

アレキサンダー・ジラード展:
彼の独創的なビジョンが生み出した世界
2015年10月24日(土)~11月7日(土)  11:30~20:00
会場: ハーマンミラーストア  東京都千代田区丸の内2-1-1  丸の内MY PLAZA
http://www.hermanmiller.co.jp/content/hermanmiller/apac/ja_jp/home/emm/alexander-girard-an-uncommon-vision.html

b0141474_213340.jpg


会場がハーマンミラーストアと、ミュージアムと違い狭いスペースなのだけれども、コンパクトながら充実の内容。
私自身、こんなにアレキサンダー・ジラードの、本物の作品を見たことがなかったのだけれど、日本できちんと紹介された機会ってあったんだろうか。。私が知らないだけかもしれないけれど、ハーマンミラーの家具、マハラムのファブリック、ヴィトラの小物(ピローやステーショナリーなど)、書籍、グラフィック

b0141474_229358.jpg

b0141474_233136.jpg
b0141474_2325413.jpg
b0141474_2323931.jpg



ブラニフエアの印刷物、レストランの小物(テーブルクロス、テーブルウエアまでもやっていたとは!)、1960年代の実物の家具も。

b0141474_2283291.jpg

b0141474_2293170.jpg

b0141474_2311761.jpg

b0141474_2321161.jpg


そして、人形(おなじみですな)
b0141474_2302152.jpg

b0141474_2304413.jpg


(以上写真すべて:Daici Ano)

個人的にぐっと来たのは、60年代の家具と、今の家具を比較できたこと。
足の形が同じに見えて、触ってみると(一部触れる展示です)、今の家具はとてもなめらかに仕上げられている。金属加工の技術がこの約半世紀の間に随分進化したんだろうな、と思わせる。
工場見学したくなってしまった。

ジラードに関しては、調べれば調べるほど面白く、もっと書きたいところだけれど、本日までの展示なので、もう是非是非行って!のアピールということで、これくらいにしておこう。

Nick Waplington 'Battleship Island 軍艦島'

$
0
0
ライター渡部のほうです。
今回かなりの強行スケジュールでロンドンに来た。
目的はこちら。

三宅由希子さんが新しくオープンしたアート/デザインのギャラリー「White Conduit Project」 http://www.whiteconduitprojects.uk  で行われている、
ニック・ワプリントンの軍艦島の写真展。

b0141474_325245.jpg


b0141474_331545.jpg


ニック・ワプリントン Nick Waplington http://nickwaplington.co.uk は1991年に出た「Living Room」
http://www.amazon.co.jp/dp/0948797568/ref=cm_sw_r_tw_dp_AOopwb0K7YNDF
の掃除機で庭に持ち出し強引に遊んでいる子供の写真は、強烈な記憶として頭に残って離れない。

これが出世作で、以後フォトグラファーとしてコンスタントに写真集を発表し続けている。

今回のテーマは、日本人ならおなじみの、巨大廃墟「軍艦島」。
軍艦島の写真はいくつか見たことがあるけれど、概して巨大な廃墟、うち捨てられた場所というイメージを濃く出したものが多い。
ワプリントンの目線は、そうした廃墟のイメージよりも、古く朽ちた物のディテールに寄っている。
一部、どこかに残っていたのであろう手紙のような日記のようなものがあるけれど、わざとブレさせ、文章は読めないようになっている。
今まで見たもtのとは少し違う軍艦島を見た気がする。

見にくいとは思うけど、プレスリリース。
これも今週までなので、ロンドンにいる方は是非に。

b0141474_3143835.jpg


ギャラリーWhite Conduit Projectsのインテリア

$
0
0
ライター渡部のほうです。

ロンドンに来た目的である、ギャラリー White Conduit Projects。 http://whiteconduitprojects.uk

来てみて分かったのですが、マイケル・マリオットがインテリアを手伝ったとのこと。
http://www.michaelmarriott.com
細部なので、分かりづらいかと思うけど。

地下の照明。バケツランプ。
b0141474_3491439.jpg


1階の収納、と思いきや
b0141474_350560.jpg

開けるとバー。
b0141474_3505488.jpg


階段の上部、空いたスペースに折りたたみ椅子を収納。
b0141474_3513535.jpg


昔昔その昔。1992年のこと。
非常に限られた素材で、折りたたみ椅子とテーブルのセットを作ったのが、マイケル・マリオットのデビュー作。
http://www.michaelmarriott.com/furniture/xl1kit/
私、本当にこれが好きで、今回のWhite Conduit Projectsのインテリアには、そのスピリットが生きているなあと感じた次第。

2015年度のGマーク忘備録

$
0
0
編集宮後です。
今年のGマークの展示を見てきました。
以前にまして、ウェブサイトやサービスなど、新しい仕組みやシステムの受賞例が増えている印象を受けました。以下は、自分用の忘備録ですが、気になったものをシェアします(製品名をクリックすると詳細情報にリンクします)。

b0141474_10351276.jpg

Live Talk
富士通が開発した、聴覚障がい者参加型コミュニケーションツール。会議などで多数の人の発言がテキスト化されてリアルタイムで表示されるので、聴覚障がい者の方も一緒に会議に参加することができる。音声認識技術がここまで進んだのかとびっくり。企業で使うことを想定したシステムのようだが、個人で使えるようになればテープおこしにも使えそう。


b0141474_1035216.jpg

勉強サプリ
リクルートが開発した、オンライン受講アプリ。一流講師の授業が月額980円で受け放題という画期的なオンライン学習システム。遠隔地や経済的理由などで塾に通えない子どもたちもネット上で質の高い教育が受けられる点が画期的。


b0141474_10352916.jpg

Share Village Project
消滅の危機にある村の古民家を再生するプロジェクト。インターネット上で共感者から資金を募り、民家を改築、維持する仕組み。資金を提供した(年貢を納めた)人は村民として、その民家をシェアすることができる。第一弾として、秋田県の五城目村の民家の再生に成功。以後、日本全国に拡大していく予定。


b0141474_10353790.jpg

JAHB net
日本全国の工務店のネットワーク。個々に散らばる工務店同士がネットワーク化することで、材料、工程、大工さんなどの情報をシェアするしくみ。いままでなかったのが不思議だが、インターネット上で材料や人員の情報共有しあえるメリットは大きい。


b0141474_10355042.jpg

他人組
高齢大工から若手大工への技術継承を促進するマッチングシステム。高齢大工と若手大工でペアを組んで住宅を建てることで、熟練大工の技を若手に継承していくことを目的としている。前述の工務店のネットワークもそうだが、建築業界ではこうしたオンラインネットワークが必要とされていることを感じた。


b0141474_10355869.jpg

成田国際空港 第三ターミナル
おもにLLC(ローコストのエアライン)が利用するターミナルが成田国際空港にオープン。陸上トラックをイメージした床の導線やサイン計画、低コストを逆手にとった新しいデザインが評価された。会場では、原寸大サイズに近い写真をパネルで展示。ほかにも野球バットで試し打ちができるバッティングゲージが設置されるなど、受賞製品を体感できるコーナーもあった。


b0141474_1036640.jpg

ソフトリングノート
リングの部分が柔らかい素材でできており、手があたっても痛くないノート。これもいままでなぜなかったのかが不思議だが、見落とされていたアイデアだ。


b0141474_10361677.jpg

air Closet
自分の体型や好みにあった服を選んで宅配してくれる月額レンタルサービス。自分に似合う服がわからない、服を買いにいく時間がない人にとって便利。返却先でクリーニングしてくれるので、着た服はそのまま返却すればOK。


b0141474_1036244.jpg

最終ノミネートに残った8製品。このうち、2番のパーソナルモビリティが大賞を受賞。
www.g-mark.org/‎


プロダクト部門については、外見の色やデザインといったスタイリングを変えただけの製品ではなく、いままでになかったものが受賞している印象。オンライン分野は人同士をつなげるネットワークや、物を持たずに共有するシェアやレンタル系のサービスが目立っていたように思いました。Gマークの展示会は、新しい製品やサービスを考えている方々にとっても気づきが多い場所。ネットで受賞作を見ることもできますが、リアルな場所で集中的に圧倒的物量の現物に触れることによって全体的傾向が見えるなど、気づくことが多かったです。


台湾のブックデザインの今を伝える本『T5』

$
0
0
編集宮後です。
ずっとためてしまっていた台湾ネタを連続投下します。

台湾のブックデザインの最前線を紹介する書籍『T5』が
東京藝術大学出版会から刊行されました。

b0141474_10564549.jpg

b0141474_115451.jpg


聶永真(アーロン・ニエ)、王志弘、小子、霧室、何佳興ら5組のデザイナーと
日星鑄字行、田園都市、雄獅美術など活字鋳造所や出版社のインタビュー記事、
李志銘による台湾の書籍に関する記事が掲載されています。
(インタビュー記事は渡部さんと雪朱里さんが担当)

こちらにウェブサイトがあり、5組のデザイナーのインタビュー記事を
読むことができます。
http://t5.geidai.ac.jp

あまり書店に配本されてないようなので、本の入手方法などは
こちらのFacebookで確認していただいたほうがよさそうです。
https://www.facebook.com/T5geidai/?fref=ts

本をめぐる旅@台北

$
0
0
編集宮後です。
藝大で行われた台湾ブックデザインのシンポジウムを聞いたあと、その週末に台北の書店や出版社に行ってきました。

b0141474_18275530.jpg

b0141474_1828038.jpg


こちらは『T5』でも紹介されていた出版社、田園都市。1階に書店スペース、社長室、編集室があり、地下のギャラリーでは「ドイツの美しい本」の展示が行われていました。

写真は代表の陳さんと編集の劉さん。陳さんは年に数回、日本を訪れては書店をまわり、気に入った書籍をまとめ買いしていくのだとか。「今度行きたい書店」のリストを見せていただきましたが、どこで情報収集をしているのか、その充実ぶりに驚きました。

同業者同士ということもあり、初版は何部くらい刷っているのか?、どうやって利益をあげているのか?など、わりとつっこんだ話もしてくださいました(ここには書けないけど)。

台湾には再販制度がないので、新刊でも書店で値引きされてしまうとのこと。20%OFFになっている新刊もあり、ちょっとびっくりしました。割引販売されると出版社の利益も減ってしまうため、原価を下げざるを得ず、そうすると原価がかかる凝った造本がしづらくなってしまいます。

そういった事情もあり、一般書店で流通する本はコストカットせざるをえないのだそうです。その反動として、個性的な本をつくる出版社やデザイナーが出てきて、その動きが注目されているのかなと思いました。日本の出版事情はそこまで厳しくはないので、凝った造本の書籍を一般書店に流通させることは可能ですし、実際におもしろい本もたくさんあります。それぞれの国の出版事情が違うので、いちがいに比較はできないのかなあというのが、率直な感想です。

b0141474_18293567.jpg

b0141474_18293996.jpg


こちらは、漢聲出版社の直営ショップです。『漢聲』は台湾に古くから伝わる伝承文化や民族風習を伝える雑誌で、独特の造本がすばらしいことでも有名。その出版社が経営する直営店があるというので、行ってきました。『漢聲』のバックナンバーのほか、ポストカードやメモ帳、雑貨など、おみやげによろこばれそうなものがずらりと並んでいます。ずっとほしかった『漢聲』のバックナンバーが日本の半額くらいで売っていたので
即買いしてしまいました。

b0141474_1829536.jpg


この写真はBOVEN雑誌図書館の入り口です。台湾や日本の雑誌のバックナンバーや書籍を事由に閲覧できる図書室で、入り口で300台湾ドルを払うと、一日ゆっくり本を見られます。日本のファッション雑誌やライフスタイル本もたくさんありました。

b0141474_1830024.jpg

b0141474_1830497.jpg


『T5』でも紹介されていた活字鋳造所の日星鑄字行。現在は鋳造のかたわら、観光客が自由に見学できるように整備されています。活字のばら売りも行っており、好きな活字をハンコにしてくれるサービスも。2号活字を4つ組み合わせて、自分の名前のハンコをつくってもらいました。1階に活字棚、その奥に鋳造機が数台あり、現在も鋳造を行っているそうです。地下のスペースは書籍資料の保管とトークイベントなどで使われるスペースになっていました。ボランティアの方々も多く、みなさんで手分けして、お客さんの文選をしていました。

ほか、誠品書店も見てきました。24時間営業の店舗もあって本当にうらしゃましいです。松山空港に近い場所に、誠品書店が経営するホテル「誠品行旅」もオープン。ホテルのあるあたり一帯はタバコ工場をリノベーションした文化総合施設「松山文創園区」と呼ばれるエリアで、とても気持ちのいい場所です。

そうしたおしゃれ書店のほか、昔からある書店も見てきました。台北駅の南側にある重慶南路のあたりには書店や塾が連なっており、資格試験の本がどーんと積まれていました。台北在住の知人いわく、公務員試験を受ける人が多いので、その対策本が売れるのだとか。それ以外だと経済関係の本が多く、芸術系書籍は少ない印象でした。並製本が多く、本文用紙も微妙に薄いのはコストカットのためでしょうか。編集者の苦労がしのばれます。

言葉が通じない国でも、その国の本を見ていると、「編集者はこういうことを考えながら、この本をつくったのかな」と思いをめぐらすことができます。本を通じて、対話できるのが楽しい。日本で理解されなかった本が外国で評価されたりすると、不思議な気持ちになると同時に、国境を越えて伝わるビジュアルの力を痛感します。

台北で買ってきた本

$
0
0
台北で買ってきた本の紹介です。以下は、田園城市で購入。

b0141474_18311438.jpg

b0141474_18311891.jpg

建築雑誌『dA』。日本人建築家、伊東豊雄さんの特集。トレーシングペーパーの頁を重ねて、建築の構造がわかるようになっていたり、頁の上下が分断されていたり、「これでもか!」というくらい、特殊加工てんこもりな雑誌。印刷加工の雑誌ではなく、建築雑誌でこの造本というのがすごい。日本にもこのくらい突き抜けた建築雑誌もがあればいいのに。


b0141474_18312425.jpg

書籍デザインの研究をしている李志銘さんの著書『装丁時代』。台湾の装丁の歴史を丁寧に紹介した本のようだが、残念ながら文章が読めず。カバーが二つ折りになっていたり、グロス紙の上にマットのつや消し黒でタイトルを印刷したり、細部にも配慮が感じられる。


b0141474_18313765.jpg

b0141474_18314152.jpg

世界各地の伝統的な織物を紹介した本。織り手の女性のインタビュー集でもあり、写真集でもあり、記録集でもあるという、ビジュアルを重視したつくり。一点一点違う柄の織り物が表紙に巻かれている。


b0141474_18314825.jpg

b0141474_18315276.jpg

b0141474_1831568.jpg

漢聲で即買いしてきたバックナンバー。台湾に伝わる切り絵を集めた本で、赤やマゼンタなどのビビッドな色の紙に黒1色で刷られた切り絵が美しい。3冊セット。


b0141474_1832673.jpg

b0141474_1832673.jpg

タイトルどおり、活字についての本。鋳造、文選、組版など、活版印刷に関する写真と文章で構成。写真が非常に美しく、手元に置いておきたい一冊。日星鑄字行でも買える。


田園城市
台北市中山區中山北路二段72巷6號
http://gardencitypublishers.blogspot.tw

漢聲巷門市
台北市八德路4段72巷16弄1號1樓
http://www.hanshenggifts.com/front/bin/ptlist.phtml?Category=100231

臺灣活版印刷文化保存協會 ╳ 日星鑄字行
台北市太原路97巷13號
http://rixingtypography.blogspot.jp

世界のブックデザイン 2014-15[前編]

$
0
0
編集宮後です。
毎年、開催を心待ちにしている展覧会「世界のブックデザイン2014-2015」を見てきました。
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/151205/index.html

今年で14回目をむかえ、「世界で最も美しい本コンクール2015」の受賞図書13点をはじめ、日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国と今回初めて紹介するデンマーク、計8カ国のコンクール入選図書、およそ200点を展示。現物を手にとって見ることができる、すばらしい展覧会です。

b0141474_17114451.jpg


世界各国で開催されているブックデザイン賞の受賞作品を集めて審査される「世界で最も美しい本コンクール」の受賞作品が入口のところに展示されています。

2015年度のグランプリ、金の活字賞の重作品はこちら。ファッション写真の写真集のような雑誌のような体裁のビジュアルブック。きわどい写真もある、アナーキーさが評価されたのかどうか、評価されたポイントが謎の一冊。

b0141474_17115258.jpg

『無題〈セプテンバー・マガジン〉 ポール・エリマン2013』
ベルギー 金の活字賞


こちらは日本からの受賞。光をあてて影から生まれる物語を楽しむポップアップ絵本。ポップアップ部分はレーザーカットで型抜きされ、すべて手製本でつくられているので、とても繊細です。はじめて見せてもらったときに感動して、大量生産できる形にリメイクした普及版を出版させていただきました。普及版では、ポップアップ部分の形状を変えて型抜きにしています。光と影の繊細な動きはこちらの動画をごらんください。http://www.silhouettebooks.jp/

b0141474_17115831.jpg

b0141474_1712277.jpg

『モーション・シルエット』
日本 銅賞


同じ位置から水平線を撮影した写真をつなげた写真集。なんと各ページを、児童用の絵本のように張り合わせて製本しています。厚みが7cmくらいあって凶器になりそうなくらい重いですが、時間を忘れてながめていたいような本。2012部のみの限定生産で、1冊 数万円するとか。

b0141474_17121346.jpg

『New holizons』
オランダ 銅賞
212ページ


現実に存在しない動物を集めた本。本のつくりが立派で、イラストも緻密なので、本当にそういう動物がいそうな気にさせるのがポイント。本文組版も美しいです。

b0141474_17122035.jpg

b0141474_17122479.jpg

『Ein unglaubliches Bestiarium』(本物の怪物 信じがたい動物寓話)
ドイツ


赤いフィルムをあてると、赤い絵の部分が消えて、水色の絵の部分が浮かびあがり、違うストーリーが楽しめる本。カラーフィルムをあてて読む本は昔からありますが、洗練された絵が印象的。児童書ですが、大人でも十分楽しめます。

b0141474_17123575.jpg

b0141474_17123856.jpg

『Das magische Zauberlupenbuch』(魔法の虫めがねの本)
ドイツ


不朽の名作、レ・ミゼラブルを新鮮な造本で見せている本。小口側に著者の顔写真が印刷されていて、インパクトも十分。背は赤、白、青のフランス国旗をイメージ。

b0141474_17124729.jpg

b0141474_17125698.jpg

『De elendige』(レ・ミゼラブル)
デンマーク

後編につづきます。

世界のブックデザイン 2014-15[後編]

$
0
0
前編からの続きです。

私がひそかに珍本多発国と呼んでいるオランダから印象に残った本をご紹介。

都会で傷ついた鳥たちを手厚く処置し、再び自然に帰す保護施設に運び込まれた鳥を撮影した写真集。「なぜ、けがした鳥を撮影?」と思ったら、この施設でボランティアをしている写真家が撮影したのだとか。青い手袋をした保護員にかかえられた鳥が表紙。まさに治療中という感じのリアルな印象と、写真集としてのアート性がまざりあう不思議な本。

b0141474_17134015.jpg

『Vogels huilen niet klein --vogelled in de grote stad--』(鳥は啼かない 都会での鳥の苦しみ)
オランダ


タイトルどおり、オランダの堤防の写真をまとめた本。延々と堤防ばかり出てきます。おそらくオランダの土木建築関係者向けにつくられた専門書だと思うので、資料的価値の高い本ですが、門外漢から見るとかなりシュール。

b0141474_17134680.jpg

『Dutch Dikes / Dijken van Nederland』(オランダの堤防)
オランダ


こちらは中国の受賞作品。
毎年、「これでもか」というインパクトのある造本が多かったのですが、
落ち着いた感じの装幀が多かったのが意外でした。
b0141474_17133256.jpg



いろいろな職人の仕事を紹介した本。この本自体の造本もおもしろいのですが、華美な感じではなく、おちついたいいかんじに仕上がっています。

b0141474_1713575.jpg

『黟県百工』
中国


音楽家ルー・リードに関する文章の本。ぱっと見、ルー・リードの本って全然わからないくらい地味ですが、よくみると表紙に文字のエンボスが施されていたり、細かい配慮が感じされる本。


b0141474_1714898.jpg

『pass thru Fire』(パス スルー ファイア)
中国 


上海のブックデザイナーの作品を集めた本。表紙のタイトル文字(漢字)の横画を型抜きして、読ませることと、視覚的効果の両方を成立させています。

b0141474_17141446.jpg

『上海書籍設計師作品集』


最後に日本の造本装幀コンクールの受賞作から。

武蔵野美術大学 美術館・図書館のデジタルアーカイブをまとめた書籍。全5巻を1冊にまとめて、手製本した特装本だそう。

b0141474_17141971.jpg

『博物図譜とデジタルアーカイブ特装本』
日本 文部科学大臣賞、日本印刷産業連合会会長賞


まだまだ紹介したい本はありますが、現物をじかに見ていただければと思います。
展覧会情報はこちら。来年2月末までの開催です。

日時:2015年12月5日(土)~2016年2月28日(日) 月曜日休館
場所:印刷博物館(東京都文京区水道1丁目3番3号 トッパン小石川ビル)
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/151205/index.html

関連イベント:
トークショー「2015年造本装幀コンクール受賞者「受賞作」を語る」
2016年1月30日(土) 15:00~17:00

美篶堂による製本ワークショップ
2016年2月7日(日)10:10~12:40 中級「フランス装」
14:00~17:00 中級「B6各背上製ノート」


過去に書いた記事のリンクはこちら。

世界のブックデザイン2012-13
世界のブックデザイン2012-2013[続き]
世界のブックデザイン2011-12
世界のブックデザイン2010-11展
世界のブックデザイン2009-10
世界のブックデザイン2008-2009展[前編]
世界のブックデザイン2008-2009展[後編]

2016年にいただいた年賀状から

$
0
0
編集宮後です。
今年もよろしく御願いいたします。

2016年最初の記事は、皆様からいただいた年賀状をご紹介しようと思います。
加工がおもしろかったものを中心に、差出人ご本人から許可をいただき、掲載いたします。

b0141474_17383100.jpg

b0141474_1120498.jpg

「かみの工作所」の年賀状から。折れ目にそって年賀状を折ると、立体的な富士山が立ち上がるというもの(冨士山だけでなく、鷹の箔押しや折ると茄子になる仕掛けもあり、「一冨士二鷹三茄子」になるのだそうです)。氷を置いたり、水につけたりすると写真のように色がにじみ出てきます。原田祐馬さん率いるUMA / design farmのデザイン。昨年、かみの工作所から発売された「CMY / POT」(色がしみ出してくる植木鉢カバー)の原理を使用しているそうです。


b0141474_1738845.jpg

BULLETの小玉文さんの年賀状。申年(猿)ということで、バナナのモチーフに。バナナの皮をむくように、気持ちよく剥がせる加工がすごい!と思って、小玉さんにうかがったところ、3枚の紙を貼り合わせているのだとか。コスモテックさんのブログに加工の詳細が記載されているそうなので、ぜひご覧ください。


b0141474_17381956.jpg

b0141474_11204972.jpg

大阪と東京に拠点を持つデザイン事務所、SAFARIの年賀状。透明ビニール袋の中に、折りたたんだポスター状のメッセージが入っています。「薄紙を使ったプロダクトの企画開発を行っているので、今年もお世話になりますと感謝の意を込めて薄紙を使用しました。薄紙の特徴を生かしたく、裏から透けた状態で文字が読めるようにデザインしました」(SAFARIの古川さん)。用紙は、オーク超軽量印刷用紙 25g/㎡(A判・13.8kg)だそうです。


b0141474_17381429.jpg

デザイナーの高橋倫代さんからの年賀状。「おめでたいアイテムを散らしつつ、とにかく明るく元気に! と思いながら制作しました」とのこと。チャック付きの透明袋に入っているので、封を開けなくても中が見えるのがポイント(写真では省略していますが、メッセージカードがはさまれていました)。読み手のことを考えた親切設計です。


b0141474_17382547.jpg

書体メーカーMonotypeからのクリスマスカード。メッセージ部分はレーザーカットで穴があいていて、下から金色の紙地が透けて見えるようになっています。カードをめくったときに穴に気づき、「おっ!」と思うしかけですね。レーザーカットは断面が焼けてうっすら茶色くなることがあるのですが、裏が金だとあまり気にならないことも発見でした。


b0141474_17383754.jpg

こちらは年賀状自体のデザインではないですが、切手の貼り方が素敵だった例。動物シリーズの切手は背景色がそろっているので、こうして並べて貼るととてもきれい。差出人はデザイナーの方ですが、切手の配色にも気を配っているのが伝わってきます。


「デザイナーからの年賀状を見たい!」という方は、1月21日から竹尾見本帖本店で開催される「クリエイター100人からの年賀状」展vol.11をどうぞ。年賀状100点の実物が展示されるので、質感や素材感を間近で確かめることができます。おすすめです。

「クリエイター100人からの年賀状」展vol.11
2016年1月21日(木)〜2月26日(金) 土日祝休み
https://www.takeo.co.jp/exhibition/mihoncho/detail/20160121.html

インドネシア メダンに行って来ました。

$
0
0
ライター渡部のほうです。

先日、4日間(実質2日)でインドネシアのメダンというところに行って来ました。
インドネシア滞在中に、首都ジャカルタで自爆テロの事件があり、若干街中に警察や警備の人が増えたような気がしましたが、ジャカルタがジャワ島、メダンがスマトラ島、と島が異なるせいか、特に旅行に支障はなかったです。

さておき。
インドネシアは3回目なのですが、スーパーマーケットを見ても街の様子を見ても、消費者の好みや傾向が把握しづらい国です。

これまでのインドネシア滞在記。
2012年 ジョグジャカルタ
http://blog.excite.co.jp/dezagen/17984956/
http://blog.excite.co.jp/dezagen/17981562/

2013年 ジャカルタ
http://blog.excite.co.jp/dezagen/19855249/
http://blog.excite.co.jp/dezagen/19844541/
http://blog.excite.co.jp/dezagen/19844000/

どうもパッケージから情報を得て買ってるという感じがしない。
中身ありき、というか。多分、スーパーマーケットのような場でも「油買いに行くぞ。油だ。安いぞ。よし、買った」みたいな、その程度の情報で買ってそうな。

3回目にして分かったことと言えば、今回なんとなく傾向として、みんな緑が好きなんだな、というざっくりした印象のみ。ライターとしてダメだなあ。

街中の市場。
b0141474_036542.jpg

屋台の色自体が緑。やや鈍めの若干茶色が混じったような緑と黄緑が目立ちます。
印刷屋?の壁色にもご注目。
b0141474_0381267.jpg

スーパーマーケット内、ナタデココ売り場。ここは完全に緑。
b0141474_0391316.jpg

ココナツ=緑、という印象のようです。
日本他だとココナツ=茶色のイメージが大きいけれど、ココヤシの成長過程から見ていると、緑ということになるのかも。
こちらは洗剤コーナー。
b0141474_0404348.jpg

洗剤系の商品には、洗浄効果の高いもの、あるいは基本的なものには緑もしくは青、香りなどの付加価値のあるものはピンク系、紫系が多い様子。

ちなみにこういうレトロな商品はどんどん減っているので、悲しい。
b0141474_0473960.jpg

衣料用洗剤。
ウェブサイトによると1928年から北スマトラにあるブランド。
http://www.teleponsoap.com/?Type=View%20Product&item=Telepon%20Bar%20Soap#
このパッケージも1928年から変わってないのかも。。と、するとあと12年で100年なので、是非このまま行って欲しいところです。

緑以外、カラフル好き、という傾向も。派手好きともちょっと違う。
b0141474_0543991.jpg

レインボーケーキ。色が違ったからと言って、味が違うんじゃないとは思う。
ゼリー多種。
b0141474_0554852.jpg

ここは撮り切れてませんが、透明、白、赤から緑、黒(濃い茶色)まであらゆる色のゼリーが揃っております。

ゼリー的なものの商品は本当に多い。ナタデココ含む。ゼラチン、寒天、タピオカなど、原料は様々なれど、ツルっ、ヌルっ(この言い方あんまりよくないか…)、加えて、モチっ、プリっとしたものが好き。
インドネシア、マレーシアは本当にゼリー的なものが多い。ゼリー好きの方は見逃せないことでしょう。私はそんなでもないけど。

上のゼリーの写真でお分かりになるかもしれませんが、インドネシアではカップヌードルなどの陳列が、上下、上下と置く傾向。スタルクの椅子(PRINCE AHA)みたい。

インドネシアでもパッケージにおける「牛」は気になるところ。
(どこかで書いたかと思うのですが、パッケージの中の動物、特に牛と鳥に注目し続けているのですが、なかなかまとまりません)
お菓子ではホルスタイン系牛。
b0141474_1211644.jpg

b0141474_1213525.jpg

オランダ統治時代も長かったせいなのか乳牛のイメージは割と正確。

クッキーなどの焼き菓子を見ていると、インドネシアはやこういう焼き菓子もそうなのだけれど、パン、小麦粉の麺など小麦製品が意外と多い、というか年々増えているような印象。もともと米や芋系が主食で、小麦は輸入もの。こんなに増えていいのだろうか、と他国ながらなんとなく不安になるほどの小麦粉製品の量でした。

ちなみにスープに使ういわゆる「ビーフ」の絵は結構真顔で怖い。
参照
http://www.royco.co.id/Produk/Detail/287762/royco-bumbu-pelezat-serbaguna-rasa-sapi


今回、メダンを選んだ理由は、首都ジャカルタのあるジャワ島と、スマトラ島で売られている商品が違うのでは、という確認作業だったのですが、大手スーパーマーケットチェーンだと、売られている商品も大手メーカーのものが多く、あまり違いは見られず。市場や小さい商店などで控えめに売られているものは地元スマトラ産もありましたが、マレーシアやタイの物も多く(これはジャワ島でも同じ)すごく差があるという感じでもなかったのがちと惜しいところでした。

最後。余計情報。
魚スナックの絵がジャイアンに見えなくもない、トレードマーク(なの?)。
b0141474_1291162.jpg


実はロンドンとパリにも行ってました

$
0
0
ライター、渡部のほうです。

実は、というほど隠していたわけではないのですが、昨年の11月にロンドンとパリに行っておりました。
スーパーマーケットの商品の写真も撮って、さあアップでもしようかな、と思った帰国後3日目、パリで同時多発テロが起き、「パリで楽しかったです」などというブログを書く雰囲気ではなくなり、お蔵入りにしていたのでした。

インドネシア・メダンの商品についての感想をブログにアップして、ロンドンとパリのものについて書きたいな、と思ったので、今更ですが、書きます。

まずはロンドン。
ロンドン、というかイギリス、はプライベートブランドのデザインに関して、世界でトップレベルだと思います。アメリカも個々のチェーン店の押しが強いのですが、デザインの統一感、整然性、見やすさ、などの観点ではイギリスに軍配を上げたい。

ロンドンではどこにでもあるドラッグストアチェーンのブーツ。あまり気にしていなかったんですが、よく見ると、細かいところまでかなり統一感を出しています。
b0141474_050380.jpg

b0141474_0502049.jpg

基本的にグリッドの四角で区切り、文字情報は四角の中に収まるようにしています。絵柄が必要なところは大きめに四角を取っています。ドラッグストア(イギリス風に言えばファーマシーですが)は、小さいものはガーゼや絆創膏1枚から、塗り薬、飲み薬、効能も様々なものがあるので、それをきっちり統一するのはかなり難しいと思うのですが、グリッド+色、文字だけで伝わるもの、絵柄を入れるもの、と慎重に作り込んであることが伺えます。
時として人の命に関わるもの、あるいは、緊急を要するもの、なので、重要なのは「迷わない」「分かる」こと。
ブーツの統一デザインはおしゃれとはほど遠いのですが、しっかりと役割を担っています。
ちなみにシャンプー類やコスメ系はそれぞれのブランド展開をしているので、このグリッドデザインは、あくまでベーシックな商品に使われているようです。

分かりやすい、と言えば、イギリス屈指の有名チェーン百貨店(?)マークス&スペンサー。
b0141474_145755.jpg

b0141474_151051.jpg

上はレギュラーコーヒー、下はインスタントのコーヒーです。
コーヒーは産地や豆の品種も重要ですが、一般的な消費者からすると、焙煎が浅いか深いか(どれだけ苦いのか、とも言える)という点のほうが重要なのだなと思わせる、でっかい番号表示。
他のスーパーマーケットでも、濃さ/苦さに合わせて、番号を使っていますが、マークス&スペンサーほど数字を分かりやすく表示しているパッケージはなかったです。
(ウエイトローズではチーズの熟成度を表す数字が大きく表示されてましたが)
レギュラーコーヒーだけでなく、インスタントコーヒーにも数字を適用しているところは、本当に親切。

他は、ちょっと面白かったもの。
b0141474_193891.jpg

フィッシュ&チップス味スナック。どうやら中身も魚とポテトフライの形のようですが、クラッカーですね。今フィッシュ&チップスを買っても、きれいな専用の紙で包むか、箱入れてくれますが、昔は新聞紙が普通。日本の焼き芋と同じ。
フィッシュ&チップス×新聞、というのはアイコン的な組み合わせ、というのを利用して、パッケージも新聞風になっています。
ただ、ちょっと袋がぎらっとしてて、グラフィックも新聞感が薄いのが残念。なんならマットな地にすれば良かったのになあ。

セインズベリーのジャイアントショートブレッド
b0141474_1164623.jpg

サイズを大きくする、というのは日本だとポッキーとか色々ありますが、イギリスだと珍しい。
多分1本で3本分くらいのボリュームだったと思うのですが、カロリー高いぞー!

b0141474_1182736.jpg

ハインツのケチャップ。
下向きプラスチックボトルと、正統派ガラス瓶入りがどちらも売られています。
ケチャップ、マヨネーズなどペースト状の商品は、下向きのほうが確かに使いやすいのですが、日本のマヨネーズは相変わらずのポリエチレン上向き型だし、ガラス瓶もまだまだ健在。各国頑固な消費者がいるのでしょう。

ベーシックな調味料のパッケージというのは、便利だからと言って、すぐ変わるというものでもないようです。日本も鮮度を大切にしたプラスチックバッグ入りの醤油パッケージが出ましたが、今は下火。やはり、普段から使っているものは、形を視覚的に認識し、ほぼ反射的に手の動作が行われます。形や見た目が新しいと手が動きにくい。これはなかなか変えづらいものですし、視覚的アイコンとしても認識しづらくなります。
パッケージ容器を作っている技術者の方々は日々苦労しているのでしょうが、昔からある商品というのはハードルが高いのですね。

b0141474_1284126.jpg

私が追っている、スープストックの動物柄。イギリスのクノールは、ビーフなのか魚なのか、アイコンよりもイラストで説明するようになってきています。で、相変わらずクノールの牛は下向きで暗いんですよねえ。悟り顔というか。

お次はパリ。
以前も紹介したモノプリ
http://blog.excite.co.jp/dezagen/20496459/
大胆に色の地と文字だけで勝負、写真はなし、という新しいプライベートブランドのデザインを2011年に投入しましたが、2015年10月時点で、ややパッケージに写真やイラストが増えてきていました。
b0141474_1351174.jpg

お茶のパッケージ。
基本的なイングリッシュブレックファストやアールグレーといったものは色の地と文字だけですが、左側のレモン、シトラスティーはイラストが入っています。
種類の多いクッキー類やシリアルなどはイラストが入るようになり、若干統一感は薄れてしまいました。

デザインの美しさで言えば、イラストがないほうが整然とはしていますが、文字だけで全部判断するのは難しい。ましてや、急ぎの人も多いスーパーマーケットの中、いちいち文字を読むよりは、写真やイラストで「これだ」と認識するのです。
デザインの変化は残念でもあり、当然だよなあ、という納得感もあり。

b0141474_140589.jpg

分かりにくいですがポテトチップスです。家に帰ってから撮ったもの。
小さいパックがシールでまとめられているという売り方。本当は6個パックです。これが正面だけ見せて棚に置いてあるので、一個取り出すと、おそ松くんのようにわーっと引きずられて6個出て来る。びっくりしました。

nouilles japonais。
b0141474_145180.jpg

フランスの「カップヌードル」の名前が「日本の麺」に変わっておりました。いつから変わったのか。。でも相変わらず人気のようです。

b0141474_1463141.jpg

オリエンタルコーナーというか日本食コーナーというか、「tanoshi(楽)」ブランドと「mitsuba」ブランドが大きく展開していました。
mitsubaはオランダのブランドのようです。
http://www.mitsuba.nl 
HPがえーっ!って感じですが、新しいアジア感としては仕方ないかも。
tanoshi ブランドもなかなかのものですが。
http://www.tanoshi.fr

いろんなハードルがあるものです。
Viewing all 233 articles
Browse latest View live