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Channel: これ、誰がデザインしたの?
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鈴廣かまぼこのデザイン

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ライター、渡部のほうです。

お土産にもらった小田原鈴廣のかまぼこ。これが素敵な紙袋に入っているのです。



 威勢のいい魚(トビウオ、ヒラメとホウボウ)の姿も顔もいいけれど、その間に鈴のシンボルマークと「江戸のころより 味づくり一筋」の文字をくいっと入れても一体感を感じさせるバランスの良さ。
 スタイルとしては芹沢圭(金偏に圭)介風だけれど、どうも確証がない。誰がデザインしたの?といつもの疑問が湧き、久々にブログ相方宮後さんと一緒に鈴廣かまぼこ本社に行ってきました。

 袋だけでも感動モノなのに、まあ、出て来る出て来る資料の数々。お得意様に配っていたという月ごとのカレンダー、絵暦、御絵布(ハンカチサイズのてぬぐい)に、年賀はがきに暑中見舞い、各種パッケージ、そして各種袋、まだまだ続く。昭和30年頃から現在まで、この独特なスタイルは脈々と続いています。






 刀のようなキレと、滲んだように波打つ線が特徴的。木版画にも見えるが「型染め」という方法だそう。
 下絵を描いて、型紙を彫る。そこに紗という絹の布を貼り、型紙の完成。

(型紙)

この型紙を印刷する和紙に当て、糠や糯粉(もちこ)を炊いて作った糊を置く。型紙を外し、糠の色のついた糊部分の間に、大豆粉を混ぜた絵の具で彩色。最後に糊を水で洗い流せば、糊の糠色が抜け、色を縫った部分だけが残る、という方法。


(鈴廣の社内誌より)

こんなに手間の掛かる作業、どなたが?と聞くと
「昭和30年頃から始まったのですが、最初は鳥居敬一さんです。その後、森川章二さんが徐々に手がけるようになり、平成の前後でほぼ森川さんに。今は森川さんと、森川さんのところで勉強させてもらっている私も少しずつ手がけるようになってきました」
と、答えるのは鈴木結美子さん。弟子から弟子へとバトンタッチしていき50年。素晴らしきかな師弟愛。古い物と今のものを並べても、民芸風な雰囲気は変わらない鈴廣テーストを貫いています。





「当時の社長(現会長の鈴木智恵子さん)は、もともと女学生の頃から民芸に造詣が深く、自分でも染め物を作るほど好きだったそうです。小田原はかまぼこメーカーが沢山あり、その中で差別化できるよう民芸のスタイルを取り入れようと、鳥居敬一さんに直接お願いしにいったことから始まりました」
 他競合との「差別化」すなわち鈴廣ブランディングは、近隣小田原のかまぼこメーカーだけでなく、全国レベルで見ても際立っています。

 単に民芸調を取り入れているだけではなく、その時代に合うよう変化することも重要。鳥居さんが作った最初のロゴも時代に合わせて少しずつ変化しています。


(ロゴの変遷 右から1960年代、70年代、80年代、現在のもの。鈴廣社内誌より)

 鳥居さんはシャープでダイナミック、森川さんはやや柔らかめと、それぞれの個性もうかがえる。鈴木さんは森川さんよりさらに柔らかな雰囲気ですが、鳥居さんのようなシャープな作風にもチャレンジしてみたいといいます。今の若い人たちにもかまぼこを身近に感じてもらうため、ネコや指輪などの身近な柄を型染めの手法で描き、パッケージに採用するなどテーストを変えることなくデザインの工夫を行っています。
 創業150年の老舗。伝統を守るだけではなく、育むというのはこういうことなのだと感じた取材でした。

ミナペルホネン20周年

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編集宮後です。
5月20日から6月7日まで、青山のスパイラルでミナ ペルホネンの展覧会『1∞ ミナカケル』が開催されました。ミナ ペルホネンは皆川明さんが1995年に立ち上げた服のブランドで(当初のブランド名は「ミナ」。途中から現在の名前に改称)、今年20周年なのだそう。





いままでに発表されたテキスタイルや服の展示のほか、ミナ ペルホネンのテキスタイルやモチーフを使った生活用品に囲まれた宿泊施設の提案もありました。テキスタイルだけでなく、生活をとりまくプロダクトや空間にも広がりをみせていく様子が印象的でした。ブランドが大きくなるにつれて、どのように展開していくかというのはとても難しい課題です。ミナ ペルホネンの活動を見ていると、自分たちでできる規模で着実に続けられているのがとてもすばらしいと思います。

個人的に気になったのは、展示会場で販売されていた書籍。前回15周年のときに刊行された書籍は出版社から刊行されていましたが、今回はミナから刊行されていました。いまはコンテンツを持っている会社や個人が自分たちで情報発信するオウンドメディアの時代なんですね。

変わりつつある展示会

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編集宮後です。
立て続けにもうひとつ。最近見てきた展示会の話題から。



こちらはH.P.FRANCEが運営する展示会「場と間/BATOMA」。通常の商品受注展示会とは一線を画し、BATOMAのキュレーションを経て編集されたクリエイティブなモノやコトが展示されるイベントという印象。5月にクリスマスの合同展示会「BATOMA CHRISTMAS」、10月にデザイン・アート・プロダクトの合同展示会「BATOMA TRADESHOW」と情報発信イベント「BATOMA information」が開催されています。

今年5月のクリスマス展示会の会場写真。アートディレクションはDRAWER。会場デザインもすばらしく、ここに置かれるだけでワンランク上の製品に見えそうです。とにかくおしゃれ。


長崎県波佐見の岩嵜紙器と「食とデザインとアート」を中心に活動するholidayによるテーブルウェアブランド「TABLEWEAR CLOSET」。波佐見焼で作られたプレートにはそれぞれメッセージが書かれており、紙器メーカーによるパッケージもセットになっています。
http://www.total-package.jp/


ベルギーのチョコレートDolfineの輸入代理店のブース。Dolfineのチョコレートはパッケージもきれいだし、いろんな味があって本当においしいです。
http://www.dolfin.be/

一方、こちらは6月に開催された「インテリア ライフスタイル」展。同展は、インテリアから生活用品、デザインプロダクトに至るまで、ライフスタイルに関する幅広い製品が展示されるのが特徴。毎年この時期に東京ビッグサイトで開催されています。今年の来場者は3日間で3万人と、過去最高だったとか。いわゆる大きな国際展示場で開催される見本市なのですが、最近では会場の中央にセレクトショップのような特設エリア「アトリウム」が設けられています。それがこちら。アトリウムの会場構成は、設計事務所ima、グラフィックデザインはTAKAIYAMA incが担当。中央におもな出品製品が並び、左右に規則正しく各ブースが配置されるという構成で、実際にまわってみると、非常に見やすかったです。できれば来年もそうしてほしいくらい。





プラスチックなどの素材を使った、カスタマイズできるアクセサリーブランド
「INSTANT JEWEL」。


極薄の用紙に印刷されたノート「PALEVEIL」。オフセット輪転機の薄紙印刷の特許を持つ岩岡印刷工業が製作。デザインはSAFARI。ちなみにインテリア ライフスタイルのキービジュアルもSAFARIのデザイン。
http://www.iwaoka.co.jp/news/2015-06-09-1639.html


ポーランドのデザインブランド「ZUPAGRAFIKA」。モダン建築と工業デザインをモチーフに、さまざまなペーパーアイテムを発表。以前、渡部さんが教えてくれた製品が日本にも輸入されてました。
取り扱い:http://www.atexcorp.net/

知り合いのブースなど、ほかにもまだまだご紹介したい製品はあれど、全体を通じて感じたのは、最近の展示会がものすごくおしゃれになってきているなということ。数年前では考えられないくらい格段にレベルが上がってきているのは確か。製品をちょっとおしゃれにしたくらいでは太刀打ちできないくらいのハイレベルな競争の場になってきてると思いました。

知り合いのデザイナーさんからも、最近、地場産業や地域の特産物を売る企業からの仕事が増えているという話をよく聞きます。デザイン賞の受賞作品にもそうした種類のものが増えているので、なんとなくは感じていたんですが、やはりそういう傾向が強くなってきているようですね。デザインの力がより多くの人に理解され、結果として全体的に底上げされていくのであれば喜ばしいことです。

LCX X TAKORA Kimiyoshi Futori 香港にて

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 ライター渡部のほうです。

 2週間ほど前、1泊2日の弾丸で香港に行った際に見て来た展示がこちら。
『LCX X TAKORA Kimiyoshi Futori』 
http://www.lcx.com.hk/eng/what-s-new/details.php?n=35989
会期が4月15日〜6月14日と、すでに終了しているので、このブログ記事見てる方には申し訳ないけど。


写真提供 太公良

「ヴィジュアルクリエーター/アーティスト」を名乗るタコラこと太公良(ふとり・きみよし)の個展。
今回の展示が行われたLCXは、香港の中心部、尖沙咀(チムサーチョイ)エリアにある巨大ショッピングセンターハーバーシティ・オーシャンターミナルの中、若者向けのファッションや雑貨など70余りの店舗を抱える場所。
そんな巨大フロアの中、中心を直線で繋ぐ広いフリースペースを使い、オブジェの展示、ファッションデザイナー濱田明子さんとのコラボレーションプロジェクト「TAKOLABO」の展示、さらにチャリティ用グリーティングカード、ポイントカード、特別プレゼントスーツケースのデザイン、トートバッグDIYワークショップなど、その告知広告も展開され、フロア全体でタコラのデザインが見れる、という大がかりなもの。


フロアの途中ででくわす、オブジェ展示

TAKOLABOの展示

テーマは『PATTERNS & SEQUENCES(パターンと繋がり』。印刷物や布モノに使われるパターンがポップアップブックのようにオブジェとして立体にもなって現れる、逆から見れば、立体で見たキャラクターが館内至るところにある平面に潜む面白さを目指した。


展示の告知

ポイントカードの告知

ポイントをためてもらえるタコラグッズ

また、これはタコラの作品に一貫していることだが、見ている人に幸せな気分、楽しい気持ちになって欲しいというのも重要なポイント。彼の作品の特徴である鮮やかな色彩の組み合わせが見る人をぐいぐい引きつける。オブジェと共に遊ぶ子供ら、前で記念写真を取る家族やカップルが引きも切らず。
というわけで、私のカメラでは、展示の裏側、遠くから撮るしかなかった、という次第。

mt 浅草花やしき

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編集宮後です。
久しぶりにマスキングテープmtの話題です。

6月28日まで、浅草の遊園地「花やしき」でmtのイベントが開催されています。
http://www.masking-tape.jp/event/store/2015/asakusa.php







花やしきは、創業1853年。もともとは花園でしたが、戦後に遊園地となり、今年で162年目を迎えます。子どものころよく連れていかれましたが、基本的には当時の雰囲気とあまり変わってないです。現地に行かれたことがある方ならわかると思いますが、昭和っぽいというか、独特な雰囲気があるエリアです(たくさんあった映画館や見せ物小屋はなくなり、いまはJRAの場外馬券場があります)。

イベントの様子はこちら。3階の会場でmtの限定テープなどが販売されていました(エレベーターがない建物なので、搬入が大変だったそうです。夏でなくてよかったです)。窓からは、浅草寺とスカイツリーも見えます。メリーゴーランドやスワンなど、遊園地のアトラクションや輪投げコーナーもmtでデコレーションされていました。遊園地とmtの組み合わせはいいですね。ほかのテーマパークでも展開できそうです。美術館とか、スーパーマーケットとか、いままで貼ったことがない場所に貼られるのもおもしろそうです。次回の展示はまた公式サイトで発表されると思いますが、楽しみにしています。



Schweiz 日本 Japan スイス

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編集宮後です。
7月5日まで、西麻布のCALM&PUNKでスイスと日本のデザイナーによるポスター展「Schweiz 日本 Japan スイス」が開催されています。スイスと日本の国交樹立150周年記念をきっかけとした両国のデザイナーを結ぶ文化貢献
プロジェクトだそうで、Grilli TypeのNoel Leuさんやグラフィックデザイナーのステファニー・グエレルさんを中心に企画され、日本とスイス12組のデザイナーが参加しています。

参加デザイナー:
ボンボン(チューリッヒ)
クラウディアバーゼル(バーゼル)
デミアン・コンラッド(ローザンヌ)
フェリクス・ファエフリ(ルウェン)
ジョンソン/キングストン(ルウェン/ベルン)
服部一成(東京)
佐野研二郎(東京)
寺島賢幸(札幌)
プリル・ビヒェリ・クレーマス(チューリッヒ)
長嶋りかこ(東京)
植原亮輔〈キギ〉(東京)
原田祐馬(大阪)



Noelさんは春にスイスから日本にやってきて、しばらく東京に滞在しながら展覧会の準備をしたそう。日本のデザイン事務所でインターンの経験があるステファニーさんがキュレーションを担当。日本のデザイン関連機関などの協力を得ながら展覧会をつくりあげたバイタリティには脱帽です。

6月25日(木)19時から出品作家によるトークイベントがあるそうのなので、こちらもぜひいらしてみてください。

シャンプー、コンディショナー、柔軟剤

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ライター渡部のほうです。

このブログでもたびたび書いているような気がするのだけれど、ドラッグストアにおける女性向け妖艶デザインに違和感を覚えている。

シャンプー、コンディショナーの売り場に行くと8割から9割が、白地に花柄、とか、ピンク、紫、金で彩られたゴージャス系のパッケージで埋まっている。

男性が買えるヘアケア製品ってほとんどないんじゃない?と、学生に聞いてみたところ、
自宅から通っている学生は、まあそのまま違和感なく使っている様子。
「髪がさらっとして結構いいです」
そうなのか。そうか…。

一人暮らしの男子(というか成人男性だけど)では、紫ゴージャス系のシャンプー、コンディショナーの詰め替え用を買い、無印良品のボトルに詰め替える、という人も。
それ、パッケージの意味ないな。

昨今の柔軟剤も、アロマ押しで、かなり濃厚。厚化粧を重ねた熟女っぽい。
そろそろ揺り返しで、アロマなし、さっぱり系が出そうな気もしなくはないけど。

普通に、男性とか女性とか関係なく使える、適度な値段のものが欲しい、プリーズ。

インテリアライフスタイル展

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ライター渡部のほうです。

ブログ相方、宮後さんのポストにも書かれていましたが、今年のインテリアライフスタイル展。
かなーり時間が経ってしまってますが、渡部が気になったものをいくつか。


FIVE GOKAYAMA http://www.five-gokayama.jp
デザインチーム minna http://minna-design.com がデザインした和紙製品シリーズの一つ。顔料で染め、こんにゃく糊で揉み込んだ和紙を使ったカードケース。蛍光色が鮮やかに出ています。
和紙のステーショナリー、日用品は、深澤直人の「SIWA・紙和」シリーズなど様々出ていますが、地味な色味が多かったところに、新しい視点を持ち込んでいます。



INSTANT JEWEL http://www.instantjewel.jp
宮後さんもチェックしていたこちら。やはり飛び抜けて良かったブースの一つです。
日本の工場が持っている技術、すでにある金型などを活かして、新しい発想のプロダクト=ジュエリーを作る、というもの。
プラスチックパーツを作っているのは、普段自動車、電気機器、医療用などの部品を製作しているツルミプラ http://www.turumipla.co.jp/
今回の新商品金属線のものはどこのメーカーのものか聞き忘れてしまいました。ごめんなさい。
INSTANT JEWELはブースのプレゼンテーションが非常にうまい。実際に売られる状態と同じ真空パックを壁に並べ、透明な袋に印刷された黄色、中のジュエリーのカラフルさが目立ちます。関係者に送られていた招待状もこの黄色印刷の透明袋に入っていたので、「あのDMを送ってくれたところだ」とすぐ分かります。
ジュエリーのデザインからブースのデザインまで手がけたのは大友学さんと小澤真奈さんのstagio http://stagio.co.jp 。大友さんはプロダクトがメインのデザイナーさんですが、数々の展示会に出展した経歴があるだけに、いかに見せるか、のツボを押さえています。


光伸プランニングのmonopuri http://monopuri.jp。
かみの工作所もそうですが、通常は印刷加工業や製造業をやっている会社/工場が自発的に発信したプロダクトが増えています。
光伸プランニング  http://koshin-p.jp は普段屋外広告やサイン・ディスプレーの印刷を行っている会社。紙だけでなく様々な素材への印刷技術に長けていることを活かし、デザイナーと協力し、アクリルやメッシュに印刷加工をした小物を製作、販売しています。今回の新作「POT」は波打つ形のコンクリートに印刷した小物入れ。
「これはどうやって印刷してるんですか!?」と思わず聞いてしまったのですが、教えてもらえませんでした(笑)。取材で聞きに行きたい。



POLS http://pols.jp はできたてほやほやのテキスタイルブランド。
高度なジャガード織り技術を持つ兵庫の老舗テキスタイルメーカー丸萬 http://www.maruman-inc.jp とテキスタイルデザイナー梶原加奈子さん http://www.kajihara-design.com が協力し作られた製品は、異なる柄が織機で1回で織れてしまったり、4枚の布を合わせたように見えるのにこれまた1回の織機で出来てしまう、といった驚きの布地を活かしたもの。
梶原さんはすごいアクティブな人なんですよ、と聞いてましたが、今回初めてお会いして納得。お話をしてるだけでも、色んなアイデアがばんばん出て来るのですごいです。北海道と東京と産地をほぼ毎日のように移動しているという体力にも頭が下がります。
グラフィックデザイナーに白井陽平さん、コピーに安藤隆さん、とサン・アドの方々が参加。パンフレットは素晴らしく美しいです。


proef http://proefdesigns.com のストッキング。ストッキング生地にフロッキーやメタリックのプリント。印刷で乗せている部分がかなり厚いので伝線しそうですが、伝線しないような柄、柄のサイズなどをストッキングメーカーと試行錯誤しながら作っているとのこと。


Acrylic Resin は、樹脂の機械パーツなどを作るワイザーリンケージ http://www.wiser-l.com/ の技術と、サン・アドのアートディレクター高井薫さんの発想で生まれたアクリル板の雑貨シリーズ。
モチーフがかわいいコックさんに蚊取り線香にカセットテープにでっかい盆栽、って、おしゃれーなインテリアライフスタイル展の中で突然膝がっくんをされたような、緊張をほぐす力の抜き具合。高井さんの、この塩梅の巧さにはいつも感激してしまいます。


他にも色々面白いものが溢れていた今回のインテリアライフスタイル展ですが、やはり一番良かったのはアトリウムの展示。気持ちよかったです。


編集の各工程

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編集宮後です。
修正を待っている間に、ふと編集の各工程を書き出してみたくなりました。
いまやっている仕事の工程を箇条書きにしてみると、

・本の企画や全体の構成を考える
・著者と打ち合わせする
・原価計算をする
・企画書をまとめる
・会議でプレゼンする
・台割をつくる
・スケジュールを組み立てる
・原稿や写真を依頼する
・取材をする
・自分で原稿を書く
・原稿を整理する
・写真などの図版を集める
・ISBNとバーコードを発注する
・デザイナーと打ち合わせする
・ラフを書いてデザイナーに渡す
・レイアウトや文字を修正する
・校正をする
・印刷担当と打ち合わせする
・束見本をつくる
・印刷所に入稿する
・スリップを発注する
・色校正をする
・見本出来後、確認する
・関係者に見本を送る
・amazon用資料をつくる
・書店用注文書をつくる
・販促用POPやパネルを用意する
・書店でのフェアやイベントを準備する
・請求書をもらって経理に出す
・プレスリリースをつくって送る
・借りていた資料などを返却する

と、いろいろあるのですが、この中で一番好きな作業は「台割をつくる」です。本の完成を想像しながら全体の構造を考えていくのが一番楽しい。他の人がつくった本を読むときは、内容を読んで楽しむのではなくて、目次の構成を見て楽しみます。本全体の構造がどのように組み立てられているのか、を読み解くのが楽しいのです(という話をすると、だいたいポカーンとされるんですが)。

編集の仕事というと、「企画を考える」が注目されがちなんですが、それ以外の地味〜な作業が膨大にあります。そういう地味な作業をきっちりやっていくことが全体のクオリティを上げることにつながるのではないかと思っています。

ほかの編集者のみなさんはいかがでしょうか?  「編集作業の中で好きな作業、苦手な作業」というテーマでぜひ意見交換してみたいです。



マケドニアの食品パッケージなど

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ライター渡部のほうです。

マケドニアとウィーンに行って、今朝戻って来ました。
メインの目的は、
1)マケドニアの首都スコピエで50年前に作られた丹下健三の都市計画、その後を見ること。
2)オーストリアのスーパーマーケットBillaのプライベートブランド、高級ラインのBilla Corso http://blog.excite.co.jp/dezagen/21578381/ の専門店の偵察と商品の買い出し。

建築の話は内容が濃いので(まだ帰国したばかりで頭がボーッとしてるんで)後にするとして、まずはマケドニアで見たパッケージから。



縦割りパイナップルをぎっちぎちに入れるとか、西瓜半分を袋に入れるとか、日本では見ないタイプの包装。これはいいような気がする。


マッシュルーム型のシール。


卵のパッケージ。目玉焼きがシズル写真というのが多かった。


牛乳パックは青一色印刷。


涼しそうなペンギンパッケージの飲料。同行の青野尚子さん(建築+アートのライターさん)が飲んだところ、レモン味だったそうです。


スープのパッケージというか、商品が入っている箱の山積み。


ハーブティーのパッケージはこの程度で良い、という例。


薬っぽいパッケージのビスケット。日本でいうと多分グリコのビスコや森永マンナみたいなものだろうか。


牧歌的な娘さんがパッケージにいるとつい買ってしまう。



マケドニア(旧ユーゴスラビア/東欧)なので、こういうそっけないパッケージがもっとあるのかと期待していたが、意外になかった。

ちなみに、マケドニア自体小さい国なので、スーパーに並んでるものは、近隣の外国、トルコやクロアチア産あるいはバルカン半島向けに一括して作られた外国製のものが多いのです。

さておき。

イタリアなんかでも見るSAMURAI爪楊枝。


多分黒胡椒。上の値札の付け方も新しいな。


目が踊っている。そんなに嫌なら食べなきゃいいだろうに。


かと思うと、こしゃくに軽くウィンクを投げてくるHELLO TONI(右手前)、上のHAPPY COW、上の棚奥のHOPLAのシェフのおじさん。チーズ(など)コーナーは笑顔に満ちていた。むしろ何がそんなに嬉しいんだろうかと疑うほどの笑顔だ。特にTONI。


マケドニアの人はウエハースが好きに違いない。

一見普通のウエハースパッケージだが、よく見ると800g。

ウエハースは当たり前すぎるので、別にパッケージの工夫は要らない、というわけか。


こちらは個人商店。量り売り。チョコレートが割れて入ってるけど、これも量り売りなのですよ。


市場も偵察。


市場のハーブ専門店。手前の花のようなものは何に使うんだろう。


乳製品量り売り。奥の黄色っぽいのはバターなんじゃないかと思うのだが、手作りバターだったら絶対おいしいだろうな、今、日本でバター入手しにくいしな、とか、本気で買うか悩んだ。

マケドニアの食品パッケージの最後。市場の蜂蜜屋さん。


上の蜂蜜入れが、普通クマだと思うんだけど、どう見てもブタに見えるのだよな。それともこれがマケドニアのクマ観なのだろうか。気になるところだ。


マケドニアの街 2 スコピエの郵便局

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ライター渡部のほうです。

マケドニアの首都スコピエの街、初めての印象は「放置された街」。
って書くとかっこつけてるみたいなんで、なんか他の言葉ないかな。
作りっぱなし…、というわけでもないし、やっぱり「放置」が一番いいんじゃないかと思います。

例えばこちら

新しい建築物を作っているところですが、予算が足りず地面を掘り返した部分は埋めずに建てられるところだけ建ててます。草ぼーぼー。
いいのかな…。よくないよな。

スコピエで「超かっこいい!」とうなった郵便局。
Janko Konstantinov(ヤンコ・コンスタンティノフ)設計。1974年、1982年、1989年の3段階に分けて施工。



コンクリどーん。ブルータリズム建築はこうだよな、と思わせる迫力なのですが、1枚目の草の生えっぷりで分かるかもしれない、ほぼ使われてません。

内部などありし日の姿を撮った方のサイト
http://www.skyscrapercity.com/showthread.php?t=1580186

こんなにかっこいいのに、しばらく前に火事があり、建物の半分くらいは使われていないとのこと。
治さないのだろうか…。
通路的な部分

割れた窓から撮った内部


もったいないんだけど、映画の撮影に使えそうな感じがします。

マケドニアの街 1

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ライター渡部のほうです。

先日マケドニアに行って来ました。

と、言うと大体「マケドニアってどこ?」と聞かれます。
ええ、私だって去年ブルガリアに行くまでよく分かってませんでした。

マケドニアは旧ユーゴスラビアの南端。
外務省のデータ↓
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/macedonia/

バルカン半島の中、南にギリシャ、東にブルガリア、そこから反時計回りにセルビア、コソボ、アルバニアに囲まれた国です。

面積は約2万5千平方キロメートル、大体神奈川県と同じくらい。
人口は約200万人。
なんて説明しても、あんまりイメージは湧かないと思うのですが、大変小さい国で、首都中心部も徒歩で回れそうなコンパクトな街。

現在のマケドニア共和国が独立したのは1991年。
なのですが、民族紛争や政権交代による政治体制の変化などがあり、正確に「現在の」というのは限定しにくいようです。
今回、建築巡りのガイドをしてくれたViktorija Bogdanova ヴィクトリア・ボグダノヴァさんの話では、今の政治体制が出来たのはおおよそ2006年〜2008年からだとか。
歴史は深いのですが、国家としてはとても若い国です。

ヴィクトリアさんは20代半ば、Ss. Cyril and Methodius University of Skopje(スコピエ聖キリル・聖メトディ大学)の建築学科助手を務めています。大学院では都市計画を研究していた方。
もう1人、頼もしい旅の同行者は、建築やアートについて執筆しているライターの青野尚子さん。
スコピエの街の成り立ちから今の失敗例、建築工法から素材まで、3人で色んな話をしながら(炎天下の中…)街巡りをいたしました。

どんな建築物を見て来たか、は次のポストから行きます。


マケドニアの街 3 オペラバレエハウス

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ライター渡部のほうです。

マケドニアのレポート、もう少々(というか、まだまだネタがあるぞ)。
首都スコピエにある、オペラバレエハウス。
資料によれば1979年竣工。
設計はBIRO 71(Stefan Kacin, Yuri Princes, Bogdan Spindler and Marian Uršič )


入口付近。
あらゆるパーツが変形四角形(他多角形)で繋がっている、不思議な形。


中の観客席。青が美しい。


SF映画に使えそうなクローク。


クロークのフック。


玄関ホールのソファとその上の…何て言うんだろう、天井装飾。


舞台裏も見せてもらいました。


小道具大道具制作室。美大みたい。


時計〜♡



貼ってあるポスターがいちいちお洒落で。


アクリル(?)の立体サイン。最高。

全体像は掴めないと思うので、より詳しく全体像が見たい方はこちらのリンクでどうぞ。

http://www.skyscrapercity.com/showthread.php?t=1691464
こちらの投稿の一番下に俯瞰写真があります。

美しい建築物なのですが、こちらのサイト下のほうの投稿写真では
http://www.skyscrapercity.com/showthread.php?t=1489696&page=151
あれ、壊してる!?
なんと、この美しい建物の真ん前に新たな建物を作るそうで、実は正面玄関は閉じられているのです。


緊急に裏口から入るようにしたみたいなんですが、なんとも強引かつ計画性ゼロで、悲しくなりました。

日本とスイス 12人のデザイナーによるポスター展

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編集宮後です。
6月19日から7月5日まで西麻布のCALM & PUNK GALLERYで開催された日本とスイス12人のデザイナーによるポスター展「Schweiz 日本 Japan スイス」のことを書きたいと思います。

関連ウェブサイト
https://www.facebook.com/events/1640737202825244/
http://gasbook.net/in/?p=6627

スイスと日本の国交樹立150周年記念をきっかけとした両国のデザイナーを結ぶ文化貢献イベント「Weltformat Poster Festival」。Weltformatとは、ポスターの重要性と多様性を伝えるために2003年にスイスで設立された団体で、毎年スイスのルツェルンでポスターフェスティバルを開催するなど、ポスターの普及活動を行っています。今回の展覧会は昨年秋に開催されたWeltformat Poster Festivalの関連イベントとして、東京で開催されたものです。

今回の展示では、スイスから6組(Bonbon、Prill Vieceli Cremers、Felix Pfäffli、Claudiabasel、Johnson/Kingston、Demian Conrad)、日本から6組(服部一成、植原亮輔、原田祐馬、寺島賢幸、佐野研二郎、長嶋りかこ)合計12組のデザイナーによるポスターを展示。「exchange」というキーワードのもと制作された新作ポスターだそうです(Stephanieさんから展示会場の写真をいただいたので、掲載します)。





事前告知はあまりなく、突然始まった展覧会でしたが、それにしては参加メンバーが豪華というのが第一印象。どのような経緯で企画されたのか気になったので、スイス大使館の方や主催者の一人、Stephanie Cuérelさんにうかがいました。

そもそもはGrilli TypeのNoel Leuさんから日本で展覧会をするという話を聞いていて、彼らやStephanieさんが展覧会開催のために奔走していたそう。日本のデザイン事務所でインターン経験があるStephanieさんがキュレーションを担当し、日本のデザイン団体やギャラリーの協力を得て、6人の日本人デザイナーに参加を依頼したのだとか。スイス大使館ほか、スイス関連機関からの協賛を得て、展示場所も確保し、展覧会にこぎつけたそうです。

それにしてもすごいのはStephanieさんやNoelさんたち、運営チームの行動力とコミュニケーション能力。自分達で資金を集め、面識がない日本のデザイナーにコンタクトして、展覧会を開催してしまうのはやっぱりすごいです。自分が同じことをやれと言われたら、できないかもしれない。

自分は編集者なので、展示準備のほうが気になるのですが、ポスター展は現物を輸送せず現地で出力して展示することもできるので、このような海外展には向いているのかも(立体物だと輸送時に保険をかけたり、展示ケースも手配しなければならなかったり、いろいろと手続きが面倒なのです)。垂木を組んだ柱にポスターが貼ってあるミニマムな展示でも違和感がなかったので、移動する巡回展にも向いてます。我々は国内でつくったものを海外にどう運ぶかという発想になりがちですが、彼らはなるべく現地で調達しようという発想なのですね。世界を移動しながら仕事をしている彼らのフットワークの軽さ、発想の自由さが印象的な展覧会でした。

同展は7月24日から8月1日まで(13:00-20:00、日曜日定休)、京都のvirtineにも巡回するそう。7月24日のオープニングレセプションには、スイスのグラフィックデザイナーも参加されるそうです。

vitrine
385-10 Kamigamo Motoyama, Kita-ku, Kyōto-shi, Kyōto-fu
603-8047 Japan

台湾 鳳梨田、パイナップルケーキのパッケージ

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ライター渡部のほうです。
まだマケドニアの報告が終わってないけど、台湾ネタ。

7月29日〜5月3日まで台北で書籍デザイナーの取材をしてきた。
編集者、アートディレクター、コーディネーター、通訳、フォトグラファー、デザイナーの大所帯取材だっただけに、最終日はチーム別れるの寂しくなっちゃうほど。

4日目に、フォトグラファーの蘇景霈 (ス・チンペイ)君 
www.spacebarfilm.com/#!about/c10fk 
から「お土産です」と、パイナップルケーキをいただく。

まあ、お洒落。
最近台湾で流行りの、パイナップルがそのまま入ってるザクザク系のパイナップルケーキ。(昔風のものは、冬瓜餡でいわゆるこしあん風)

なんと、実家がパイナップルケーキ屋さんで、このパッケージのデザインも蘇君が手がけたそうな(マルチタレントだな〜)。
とはいえ、フォトグラファーが片手間にやったという感じのしない、いいデザインなのだ。


ベースは台湾の熟したパイナップルを思わせる、濃い目の黄色と、パイナップル(ちょっと銀杏に見えるけどね)のパターン。商品名をぐっと下に置いているのはかなり大胆なのだけれど、通常ギフトとして外装に入っているので、商品名はそれほど主張しなくてもいいという判断(のはず)。
すごくいいと思ったのは、賞味期限のスタンプを思い切って前面に持ってきたこと。
地の印刷と違うスタンプがアクセントになっているのと同時に、賞味期限をすぐ分かるところに置くことで商品のフレッシュさを印象付ける。
これはうまい。

こちらがご実家の鳳梨田 Pineapple Farmのサイト。
www.pineapplefarm.com.tw
小豆ケーキもおいしそう…。

台北だとそごう(太平洋SOGO忠孝館 台北市忠孝東路四段45號B2)にも入っているとのことなので、台北に小旅行に行かれる方は是非チェックを。


マケドニアの街 4 学生寮

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あまりにブログを書くのが久々すぎて、書き方を忘れてしまいました。ライターの渡部千春です。

マケドニアの街について、書くのが中断しておりました。
その続き。

どうもマケドニアにいる間、メモを全く残さなかったようで、脳内メモと書籍資料だけで書いているのですけど。。

スコピエの街中にある「学生寮 」に行きましょう、と言われて、行ったところがこちらの建物群。Goce Delcev Student Dormitory。

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竣工年は1969〜1975と、資料により異なるのですが、1000人以上を収容する学生寮なので、順次作っては使用ということかな。

今回は、建築家のGeorgi Konstantinovski ゲオルギ・コンスタンティノフスキ教授ご自身が案内してくれるという、贅沢さ。

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同行者の青野尚子さんのブログ http://www.pen-online.jp/blog/n-aono/1436978753/ にも書かれているので、内容ダブってるけど。

ここは、解説してもらった中で1番印象に残ったところ。階段の手すりが手前は低く、上に行くに従って高くなっている、というもの。階段を上り始めは少し前屈みになるので、ちょっと低いほうがいい、ということですね。
実際、今の人間工学とかもろもろから考えて、本当にそれがいいのか分からないけれども、60年代、様々な生活様式を試行錯誤していたんだなと思います。

棟と棟を繋ぐ、空中廊下のある6階。
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Goce Delcev Student Dormitoryで検索すると「地獄のような住環境」と、カビだらけ、雨漏りだらけの散々な資料が出て来るかと思うのですが(というか、自分で検索してそういうのばっかり出てきた)、実はやっとこの建物、50年ぶり、つまり出来てから初めて、の改装を行っています。

自分の写真を好んで出したいわけでもないけど、トイレ新しいよ、というアピール。
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改装中なので、男子トイレも拝見。それにしてもこんなに開放的でいいんでしょうか、男子。
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基本的な建物の構造や、壁の仕切は変えず、コンクリ壁を磨きなおし、ペンキを塗り直し、床を剥がして磨き直し、キッチンを入れ替え、と、新品同様。これから入る人は幸せです。

昔の名残。鍵(他)入れ。棟の入口の受付にあります。
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こういういい感じのディテールは残して欲しいですが。

改装に入っているのは、確か6棟(記録なし)のうちのまだ1棟なので、全体の建物はまだまだ、だそう。
1階にあるカフェで管理のおじさんと少し喋ってたんですが、「電話は繋がらないわ、ネットは入んないわ、雨は漏るわ、でもう大変だからさっさと直して欲しい」だそうです。
ちなみに改装されている部分ではネットのルーターが至る所にありました。これで雨漏りしたら大変だけどね。

最後に
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この旅をずっと案内してくれたヴィクトリヤさんとコンスタンティノフスキ教授のツーショット。今回、建築家の教授自ら案内してくれたのは、実はヴィクトリヤさんが、教授の教え子だから、というツテからなのでした。

マケドニアの街 5 スコピエ中央駅

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ライター渡部のほうです。

マケドニアの街の話の続きです。

そもそもマケドニアの首都スコピエの街巡りの目的の一つは
「50年前に作られた丹下健三の都市計画、その後を見ること」
だったのですが、なかなかこれが難しかった。

なんでかというと、そもそものマスタープランがほとんど実現されなかった。のがまず一つ。
他に、作られたが後のメンテナンスがほとんどなされていない、マスタープランにも入っていた大型施設の建築物の前や後ろにここ数年で新しい建造物ができ、大型施設そのものを見ることが難しい(オペラハウスとか)など。

かろうじて、丹下健三が設計したという中央駅は残っておりました。
が、
ん?
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少し引いたところから見た駅。
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全然中央駅って感じがしない!そもそもどこが入口か、分からない。。
中が、改装中らしいのですが、改装中というより廃墟っぽい
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このエレベーターもわざとむき出しなのか、壁を取っ払ったのか、よく分からず。
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駅っぽいといえば、チケット売り場ですが、こんなに暗い。怖い。
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上に上がると、よかった、開放感。
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でもあんまり使われてない様子。多くの人は電車よりバスを利用するそうで、この駅と繋がっているバスターミナルは(比較的)きれいで、人もたくさんおりました。

高架下はかっこよかった。
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1965年、マスタープランを作っていた時の丹下健三って、代々木体育館が出来たすぐ後ですが、漫画だとオノマトペで「ぐおおおお」と書き入れたくなるような勢いがあります。
(日経アーキテクチュアの宮沢さんに是非書いて欲しい。
参照 http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20130910/253209/?rt=nocnt ) 

それが高架下に発揮されているというのもなかなか地味な話ですが。
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高架下。使われてない様子の郵便局(だったと思う、確か)。
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ガラス越しに撮影。

使われているんだか、使われてないんだか、よく分からない建物を沢山、見た、というのがスコピエのざっくりした感想です。

ウィーン国際空港のサイン 変更

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ライター渡部のほうです。

マケドニアの話は一旦終わりということで、(本当はもっと地方の街でいいものも見てるので、資料が見つかったらまた書きます)マケドニア行きの際に経由で寄ったウィーンの話を。

ブログ相方宮後さんが編集長を務める『TYPOGRPHY』(グラフィック社刊)の2014年5月刊行の05号で、ウィーンの国際空港のサインの記事を書いています。
http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?cat=4&p=30689

この記事でも触れていますが掲載したサインは変更される予定になっていました。
Iintégral Ruedi Baurがサインを手がけていたのですが、管轄会社の役員の変更から、空港の方針が変わってしまい、一旦ほぼできあがったサインも作り直し、という滅多にないことが起こったのです。
新しいサインを手がけたのは、これまでオーストリア鉄道や旧空港サインを手がけた大御所サインデザイナーのPeter Simlinger氏。

以前のサインは、バックナンバーで見て頂くとして、こんな風に明解なものに変更されました。
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かなり遠目からでも視認性が高いことが分かります。

少し、前のサインが残っていた場所がありました。バゲージクレーム、預け荷物の受け取り場所です。
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ベルトコンベアの番号をしめす「10」と書いてあるものが、intégral Ruedi Baurの手がけたもの。
手前の行き先表示はPeter Simlinger氏のものです。

私個人としては、少し叙情性のあるIintégral Ruedi Baur版が好きだったので、ちょっと残念、ではありますが、多くの利用客に取って「分かりやすい」というのが1番のメリットなのだとも思います。

ウィーンのBilla Corsoに行って来ました

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ライター渡部のほうです。

以前、このブログで紹介した、オーストリアのスーパーマーケットチェーン Billa の高級ラインBilla Corso http://blog.excite.co.jp/dezagen/21578381/

この専門店がウィーンにあります。
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今年7月の旅で、マケドニアからの帰り、ウィーンに1泊してBilla Corsoを堪能してきました。
スーパーマーケットのBillaはオーストリア始め、チェコやブルガリアなど、主に中欧から東欧で店舗を展開しており、庶民的という点で、日本だとイオンみたいな感じ。

店舗はその中の高級ラインのBilla Corsoを中心に、一般的なものから高級価格帯の食品を中心としたスーパーマーケットになっています。

乾物はもちろん
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デザート
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生鮮品にも使われています。ちょっと乱れていて失敬。
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特徴的なイラストレーションを使って、吊り看板に使ったり、PR商品に使ったり。
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通常のBillaのプライベートブランド商品も並んでいます。下の右側がBilla、左側がBilla Corso。
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ヨーロッパのスーパーマーケットは、日本よりもプライベートブランドの展開が様々に行われているのですが、中でもこの奇抜なイラストを使ったBilla Corsoはかなりの個性派。
これだけイラストが大胆だと応用しにくいんじゃないかと思っていましたが、1回定着させることで、もう一部だけ見れば「Billa Corsoだ」と分かる。

日本はスーパーマーケットよりもコンビニのプライベートブランドが進んでいます。
今後どのように展開されるのか、楽しみです。

ミナ ペルホネンの展示会に行って来ました

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ライター渡部のほうです。

今日は大学の4限終了後、大ダッシュでミナ ペルホネンの展示会に行って来ました。

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シックなインビテーションは菊地敦己さんのデザインです。
1番下の紙は皆川明さんからのメッセージ。次回春夏のテーマは「join」。モチーフの連続性、集合体を、作り手のスタッフや職人さん友人との繋がりに見立て、その思いを伝えるものとなっていました。

今回は大学のテキスタイルの先生、二本木聡子先生と、ミナ ペルホネンで働いている大学の卒業生に新しい商品のこと、一見見過ごしてしまいそうだけど、手の込んだ技術のこと、素材のことを聞きながら見る、というとても贅沢な展示会でした。

展示会の写真がなくてブログ読者の皆さんには申し分けないですが。。

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