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ブック・アーティスト 太田泰友さん

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編集宮後です。
ブログを渡部さんに任せっぱなしにしてしまってすみません。ほぼ4か月ぶりの更新です。

5月8日まで渋谷ヒカリエ8Fで開催されていた「太田泰友 公開制作」を見てきました。
太田さんはドイツに製本留学した若きブック・アーティスト。「ブック・アーティスト」という肩書きは日本ではあまりなじみがありませんが、本のコンテンツからデザイン、印刷、製本までを手がける「本の芸術家」です。ほとんどが手作業なので、基本的には一点ものか、限られた部数の限定ものになるそう。

そんな活動をしている太田さんが期間限定で渋谷ヒカリエの中にご自身のアトリエを移し、公開制作をされているとうかがって、おじゃましてきました。こちらの写真中央が太田さん。
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まわりにある製本機具はドイツで購入し、普段はご自身の工房で使っていらっしゃるものだとか。思わず「どうやって運んできたんですか?」と聞いてしまいました。

太田さんの素敵な作品はこちらのウェブサイトからご覧ください。
http://www.yasutomoota.com


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ヒカリエでの公開制作期間は終わってしまいましたが、11月16日〜22日まで、新宿伊勢丹アートギャラリーで個展を開催するそうなので、作品の実物をご覧になりたい方はぜひ。

雑貨展

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続けて編集宮後です。
21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「雑貨展」を見てきました。

暮らしの中にある「雑貨」をテーマに、デザイナーやスタイリスト、店主など12組がキュレーションする雑貨と、参加作家19組による多彩な雑貨観を展示した展覧会。「雑貨」というのは、何が雑貨で何は雑貨ではないのか、選ぶ人それぞれによって解釈が異なりそうなテーマです。それだけに一つの展覧会としてまとめるのは難しいと思いますが、見事に雑貨的な、「全部乗せ」の楽しさを表現したような展覧会になっていました。

参加作家が21組、出展者が12組。作家枠の方は、雑貨をテーマにした作品を制作して展示し、出展者枠の方は、ご自身が「雑貨的」と思うものを編集して展示しているという解釈でいいのでしょうか。以下の参加者クレジットだけでも相当な人数に及びます。

[参加作家]
青田真也、池田秀紀/伊藤菜衣子(暮らしかた冒険家)、WE MAKE CARPETS、川原真由美、国松 遥(Jamo Associates)、小島準矢(Superposition Inc.)、島本 塁/玄 宇民(CGM)、清水久和(S&O DESIGN)、シンプル組合&RONDADE、菅 俊一、D&DEPARTMENT、寺山紀彦(studio note)、野本哲平、萩原俊矢、藤城成貴、町田 忍、松野屋、三宅瑠人、フィリップ・ワイズベッカー

[出展者]
井出恭子(YAECA)、岡尾美代子、小林和人(Roundabout, OUTBOUND)、小林 恭・マナ(設計事務所ima)、たかはしよしこ(S/S/A/W)、平林奈緒美、ルーカス B.B.(PAPERSKY)、PUEBCO INC.、保里正人・享子(CINQ, SAML.WALTZ)、松場登美(群言堂)、南 貴之(alpha.co.ltd)、森岡督行(森岡書店)

[展覧会チーム]
展覧会ディレクター:深澤直人企画:井出幸亮/テキスト
熊谷彰博/コンセプトリサーチ
中安秀夫/コンテンツリサーチ
橋詰 宗/展示グラフィック会場構成デザイン:荒井心平(NAOTO FUKASAWA DESIGN)会場構成協力:五十嵐瑠衣ショップ監修:山田 遊(method)展覧会グラフィック:葛西 薫企画構成:前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)


出展者ゾーンの会場写真はこちら。全部見せるとネタバレになるので、一部だけ。

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雑貨展の雑貨/展覧会企画チーム



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森岡督行さん(森岡書店)



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小林和人さん(Roundabout, OUTBOUND)



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平林奈緒美さん



展覧会全体で33組が出展しているので、バラエティ豊かな展示になることはおおよそ想像がつくのですが、それをどうまとめて一つの展覧会にするかというのは非常に編集的だと思いました。それぞれの作家が自由に表現しているように見えて、実は「誰に出展してもらうのか?」を決める時点で展覧会の着地点が決まっているのではないかと。

出展者を決めた時点で展覧会全体の内容が決まるというのは、取材先を決めた時点で雑誌全体の方向性が決まる雑誌編集の仕事にも似ていると思いました。だからこそ、雑誌やウェブサイトの編集をしている方々にもぜひ見ていただきたい展覧会なのです。

展示は、六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて6月5日まで開催。
http://www.2121designsight.jp/program/zakka/index.html

デザイナーと文章力

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編集宮後です。
いきなり意味不明なタイトルですみません。最近は本を書かれるデザイナーも多いと思うので、ものをつくる人が文章を書くということについて考えてみたいと思います。

デザイン雑誌の記事を読んでいて「このデザイナーさん、いいこと言うなあ」と思って、その方の著書を読むと「あれっ? なんか違う人みたい」と思うことはありませんか? 雑誌記事の多くは、デザイナーへの取材をもとにライターが文章をまとめているので、いわゆる「いい話」「オチがある話」になるよう、話を「盛って」しまうことがあるんです。要するに、「なんか、この人いいこと言ってる!」と読者が思えるようにうまくまとめるわけですね。

一方、デザイナー本人が執筆されている著書では、ライターや編集者が手を入れることはありますが、基本的にはご本人の言葉が直接文字になって本になります。文章には、その方が普段考えていることや意識がそのまま出てしまうので、実際以上に「盛ろう」としてもだめなんです。恐ろしいほど、素のままの自分がさらけだされます。そのときの自分の思考や意識、精神状態などがダイレクトにテキストになって出てくる感じです。なので、文章を書くことは脳の中を丸裸にされているようで、とても怖い行為でもあります。

そういう目線でデザイナーの方々の著書を読むと、いろいろな気づきがあるはずです。「なぜここでこの接続詞を使うのか? このときの筆者の気持ちは?」など、国語の問題を解く要領で読解していくと、いろいろなことがわかります。なので、デザイン学生や若いデザイナーの皆さんには、編集されていない文章を読んだり、トークイベントでデザイナーの生の声を聞いたりしてほしいのです。

どのくらい誠実に、どのくらい深く考えられているのか、読者の目線に立って書かれているか。私がデザイナーの文章を読むときにチェックするのはその3つです。そのような「いい文章」を書くデザイナーは、デザインもすばらしいことが多い。「相手の立場に立って深く考える」というのは、文章だけではなく、デザインもそうだからです。

なので、あくまでも個人的見解ですが、「いい文章を書ける人」=「いいデザイナー」だと思っています。ここでいう「いい文章」とは、プロのライターのような技術的にうまい文章ではなく、上記に挙げた3点がそろっている文章のことです(ただし、「文章が書けない=デザインがダメ」ということではありません。思考タイプではなく、直感タイプのデザイナーですばらしい仕事をされる方は、ご自身の直感を言語化するのが難しいのです)。長々と説明しましたが、タイトルの「デザイナーと文章力」がようやくつながりました。

「お前が言うなよ」と石が飛んでそうですが、わたくしも「日々精進せねば」と思いつつ、このブログを書いております。生あたたかい目で気長に見守っていただけると幸いです。





週末だけ開くギャラリー

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編集宮後です。
以前から気になっていたアートギャラリー「HHH gallery」(エイチ・ギャラリー)に行ってきました。

オープンしたのは、2015年3月。第一線で活躍するアーティストとアートシーンに関わる運営チームが中心となって企画と運営を担当。世界中からセレクトした美術作家やカルチャーを紹介するギャラリーです。貸し画廊ではなく、自分たちで立てた企画の展示を行っているとのこと。

オープンしてからいままでに5つの展示が行われ、伺ったときは岩﨑 岳留さんの個展「IN FLUX」が開催されていました。元々、工場だったという、天井の高い空間にモノトーンの作品が映えます。

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ギャラリーが開くのは、展示がある期間の土日祝。東京の少しディープなイーストサイドにありますが、有名美術館の学芸員や外国人観光客も訪れるそう。特にインターネットを見た海外の方からの問い合わせが非常に多いとか。

質の高い作品を展示し、広報して、作品を売ることをきちんと考え、しっかりと運営されている印象を受けました。

現在開催中の展示は、6月5日までだそうです。

IN FLUX
Takeru Iwazaki solo exhibition
日時:6月5日(日)まで土日のみ開廊(12:00 – 20:00 )
場所:HHH gallery(東京都葛飾区小菅2-21-17)
http://hhhgallery.com/exhibition-detail/takeru-iwazaki

「浅草デザイン蚤の市」のお知らせ

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編集宮後です。

浅草にある空き物件を使って、本とデザインにまつわるイベントやセミナーを期間限定&不定期で開催していくことになりました。

第1回はデザイン関係の本や雑貨の蚤の市を開催いたします。デザイナーや編集者の本(書籍、雑誌、展覧会図録)、デザイン雑貨や紙ものなどを販売いたします。

活版関係では、嘉瑞工房さんとLUFTKATZEさんの製品のほか、活字見本帳なども販売される予定があるそうです。

浅草演芸ホールの寄席文字を書かれている橘右龍さんによる寄席文字の実演と販売もありますので、皆様ふるってご参加ください。


日時:2016年5月28日(土) 13:00~18:00

場所:台東区浅草2-1-14 2F(朝日信用金庫隣のビルの2階です)
   都営浅草線 浅草駅より徒歩5分、銀座線 浅草駅より徒歩3分、
   東武スカイツリーライン浅草駅より徒歩1分

出展者(予定):
  [雑貨ブース]
   嘉瑞工房(活版のオリジナル製品、本、書体見本帳など)
   LUFTKATZE(活版のオリジナル製品、書体見本帳など)
   橘右龍(寄席文字の実演と販売)
   山浦のどか(イラストレーション)
   永岡綾+守屋史世(ea)(紙ものなど)

  [本ブース]
   デザイナーや編集者の蔵書を販売します。宮後優子の蔵書(デザイン雑誌、
   書籍、展覧会図録、書体見本帳など)が多いです。出品者が確定しましたら
   随時お知らせいたします。


本の出品はまだ受付中なので、蔵書を出したいという方はご連絡ください。
(ブログのコメント欄に書き込みしていただくか、メールでお問い合わせください)

当日、お手伝いしてくださる方も募集中です。

浅草デザイン蚤の市・その2

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編集宮後です。
蚤の市の集客が心配になってきたので(弱気...)、同じ日(5月28日)に近くで開催されているイベントも書いておこうと思います(便乗商法...)。

位置的には、最も東に位置する4Fes!(都営新宿線 大島駅)から周って、→デザイン蚤の市(都営浅草線 浅草駅)→モノマチ(都営浅草線 蔵前駅)と移動するとスムーズです。

都営浅草線 蔵前駅と都営大江戸線 蔵前駅の乗り換えはいったん地上に出なければならず、とても分かりづらい(たいてい迷う)ので、ご注意ください。


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4Fes! 2016
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日時:5月28日(土)10:00〜17:00
場所:篠原紙工 Factory 4F(東京都 江東区大島5-51-13)
最寄り駅:都営新宿線 大島駅
詳細:https://www.facebook.com/events/1734431290111983/

篠原紙工社内のスペース「Factory 4F」主催のイベント。紙加工の現場(工場)が見学できるほか、トークイベント、ワークショップなど、盛りだくさんの内容。


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浅草デザイン蚤の市
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日時:5月28日(土)13:00〜18:00
場所:台東区浅草2-1-14 2F
最寄り駅:都営浅草線・東京メトロ銀座線 浅草駅
詳細:http://dezagen.exblog.jp/25807003/

本とデザインにまつわるイベントやセミナーを行うスペース(名前はまだない)で開催される蚤の市。文字やデザイン関係の本、紙もの、雑貨などを販売。


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モノマチ
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日時:5月27日(金)〜29日(日)
場所:徒蔵エリア(上野御徒町〜新御徒町〜蔵前周辺)
詳細:http://monomachi.com

上野御徒町〜新御徒町〜蔵前周辺で、ものづくりを行う個人やショップが製品を展示・販売するイベント。モノマチに参加しているアトリエやショップが展示会場となるので、マップを見ながらそれぞれの場所を巡る。


蔵書整理

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編集宮後です。
今週土曜日の蚤の市を前に、蔵書の整理をしていました。

自分がインターネット専門誌の編集者からデザイン雑誌の編集者になったのが1998年。それから約20年間分のデザイン雑誌、書籍となると、かなりの量があります。ざっと集めたところ、段ボール9箱分ありました。

雑誌は、自分がかかわっていた『デザインの現場』のほか、『広告批評』『WIRED』『STUDIO VOICE』など。どれも大事にとっておいたものですが、リアルタイムで読んでいない若い人に読んでほしいと思ったので手放すことにしました。

古本屋さんに引き取ってもらえないか聞いてみたんですが、「バックナンバーがあるので要りません」というお返事が多かったので、「それなら欲しい方にゆずりたい」と思った次第。ネットオークションで1冊ずつ売るのも面倒なので、まとめて放出します。大切にしていた本が本当に必要としている誰かの手に渡り、役立てていただけるのであれば、これほどうれしいことはありません(営利目的で転売しないでね)。

私が尊敬するデザイナーや編集者の方々も蔵書を提供してくださるそうなので、楽しみです。当日は売り場にいるので、気になる本があったら、ぜひ声をかけてください。当時のエピソードなど、要らん蘊蓄もセットにして暑苦しくお届けします。

好評ならば6月も開催しますので、お楽しみに。

蚤の市の報告

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編集宮後です。浅草デザイン蚤の市が無事終わりました。出展者の皆様、来てくださった皆様、ありがとうございます。

告知期間2週間だったので、お客様がいらっしゃるかドキドキのスタートでしたが、ほぼとぎれることなく大勢の方に来ていただけました(来場者数のカウントをすっかり忘れてましたが、体感では300人くらい?)。奥から順に文字関係で3ブース、蔵書3ブース6名、雑貨2ブースの合計8ブース12名が出展しました。

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こちらが会場風景。縦長な場所のうえ、お客様の顔が写ってしまうので、うまく撮影できませんでしたが、なかでも寄席文字の橘右龍さんのブース(写真の一番下)が人気でした。色紙に好きな文字を書いていただける出し物があったり、寄席文字関連の本が販売されていたりして、文字っ子たちが色めき立っておりました。

来てくださったお客様は20代とおぼしき若い方が多かったです。SNSとウェブサイトでしか告知していないのに、若者の情報収集能力恐るべしです。90年代の雑誌を見ていた若者に「僕、5歳でした」と言われ、時の流れを実感しました。日本にいる留学生の皆さんも来てくれて、勉強になりそうなデザイン書を買っていきました。いい本から売れていったので、みなさん目利きだなあと思った次第。

蚤の市は体力を使うので、また涼しくなったら開催したいです。

祝・D&ADブラックペンシル

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編集宮後です。
毎週ブログを書こうと決心したのに早くも挫折しかけております。

さてさて最近の自分ニュースNo.1は、いつもお世話になっているiyamadesignさんがマスキングテープmtの展示で世界的なデザイン賞D&ADのブラックペンシルを受賞されたことです。D&ADは歴史と名誉ある世界的なデザイン賞で、ブラックペンシルというのはそのなかでも最高賞にあたります。D&ADの全カテゴリー27項目の中でもブラックペンシルが授与されたのは、mtとほかもう1作品のみ。約2万5000件の応募の中から選ばれた2作品のうちの1つなので、事実上のグランプリともいえるでしょう。

今回受賞の対象となったのは2015年11月3日〜16日までKIITO デザイン・クリエイティブセンター神戸で開催された「mt EXPO 2015 at KIITO」の展示。会場の天井からつり下げられた8万本のテープが圧巻です。D&ADのウェブサイトで、ムービーを見ることができるので、会場の雰囲気が伝わるかと思います(展示準備から開催当日までを丁寧に追ったドキュメンタリー映像)。

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(D&ADのウェブサイトより。ムービーのリンク先はこちら)
http://www.dandad.org/awards/professional/2016/spatial-experiential-design/25500/mt-expo-2015/

今回受賞したのが、Spatial & Experiential Design(空間&体験部門)と Trade Show & Exposition Design(展示会部門)のカテゴリーであることからもわかるように、mtのプロダクトやグラフィックのアートディレクションだけでなく、イベントを企画し、空間を作り上げて、お客様に体験していただくところまでをトータルでディレクションしたところも評価されたようです。デジタル系の斬新なサービスが注目を集めるなか、人力による非常に手の込んだ美しいインスタレーションは審査員の目にも新鮮に映ったのではないかと思います。

ともあれ、日本のデザインが世界で評価されるのは非常にうれしいこと。iyamadesign&カモ井加工紙の皆様は受賞の興奮もさめやらぬなか、現在は世界的家具メーカーVitra社のDome in vitra campusで設営中だそうです(あ、設営は無事に終わったようですね)。iyamadesignさんのFacebookから設営や会場の様子が見られるのでこちらもぜひ。三角形のmtが初登場してます。現地に見に行きたかったなあ。

mt×vitraのお知らせ
http://www.masking-tape.jp/news/2016/06/mt-vitra.html

iyamadesignさんのFacebook(設営の様子が見られます)
https://www.facebook.com/iyamadesign

BookTalks「特殊装幀本を見る会」のお知らせ

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編集宮後です。

浅草デザイン蚤の市を開催した会場で、今週末に小さなイベントを開催します。宮後所蔵のおもしろい装幀の本などを段ボールから出してきて確認しなくてはならないのですが、せっかくならばみなさんにも見ていただこうという、ゆるい主旨の見学会です。蛇腹本や飛び出す絵本など段ボール1箱分を閲覧用に広げておきます。就職用ポートフォリオを制作中の学生さんの参考になるかも(印刷や製本などの簡単な説明もいたします)。日曜日の夕方ですが、お時間ある方はどうぞ。


「BookTalks 01 特殊装幀本を見る会」

日時:2016年6月19日(日) 16:00〜17:00
(17:00〜19:00 会場で懇親会。希望者のみ)

場所:Book and Design(浅草デザイン蚤の市会場)
東京都台東区浅草2-1-14 2階
(朝日信用金庫の隣のビルの2階です)

定員:10名くらいまで?

会費:見学会は無料です
(懇親会費用は1000円くらいを予定。飲み物の差し入れ歓迎)

申し込み:
参加希望の方はお手数ですが、お名前、メールアドレス、当日のご連絡先(中止の時のご連絡用)を記載の上、こちらのメールアドレス宛にお申し込みください。y.miyago(アットマーク)gmail.com

DesignTalks 01 「『デザインの現場』とデザインメディア」開催のお知らせ

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【7月のトークイベントのお知らせ】

『デザインの現場』大先輩の藤崎さんをお招きして、お話をうかがいます。みなさま、ふるってご参加ください!


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DesignTalks 01
『デザインの現場』とデザインメディア

出演:藤崎圭一郎さん(デザインジャーナリスト、東京藝術大学教授、元『デザインの現場』編集長)
(聞き手:宮後優子[編集者、Book and Design主宰、元『デザインの現場』編集長])

日時:2016年7月10日(日) 16:00〜17:30
   (17:30〜19:30 トーク開催会場にて懇親会)

場所:Book and Design
(東京都台東区浅草2-1-14 2F/最寄り駅は東京メトロ銀座線、都営浅草線、東武スカイツリーラインの浅草駅です)

定員:先着順 20名(定員を超えた場合はお立ち見となります)

会費:500円(当日会場でお支払いください)

内容:
1984年に創刊し、2010年に休刊するまで、さまざまなジャンルのデザインを紹介してきたデザイン専門誌『デザインの現場』。90年代前半に同誌の編集長を務め、現在はデザインジャーナリスト・教育者として活動する藤崎圭一郎さんをお招きし、『デザインの現場』のバックナンバーを見ながら、90年代から2010年代まで約四半世紀のデザインシーンを振り返ります。これからのデザイン批評やデザインメディアはどうなってくのか、今後の展望も交えてお話していただく予定です。デザイン関係のお仕事、勉強をされている方はもちろん、デザインに興味がある方々もぜひご参加ください。

会場は、本とデザインにまつわるイベントを開催するスペース「Book and Design」(「浅草デザイン蚤の市」会場)です。蚤の市で販売した各種デザイン雑誌のバックナンバーも直接手にとって見ていただけます(販売あり)。今後は、さまざまなゲストをお招きし、本とデザインに関連したイベントやセミナーを不定期開催する予定です。

注意:
当日は、浅草で「ほおずき市」が開催されます。駅および会場周辺の混雑が予想されますので、ご注意ください。

申し込み方法:
参加ご希望の方は、お名前、参加人数、メールアドレス、携帯電話など当日のご連絡先(緊急連絡用)を明記の上、以下までメールでお申し込みください。折り返し、お返事をいたします。会費は当日会場でお支払いください。お申し込み後、欠席される方はお手数ですが、ご連絡いただけますと幸いです。

 申し込み先:y.miyago(アットマーク)gmail.com
 件名:DesignTalks 01申し込み

重版出来と重版未定

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編集宮後です。
TBSのドラマ「重版出来!」が終わってしまいましたね。いいドラマだったなあ(現実の編集部にはオダギリジョーはいないけどね)。

重版するかどうかの判断って、どうしているのか気になりませんか? 複数の会社で編集者をしてますが、重版の基準は会社ごとに違うので、なんとも言えないのです。毎月コンスタントに売れていて、在庫がなくなりそうな場合は重版しますが、動きが鈍い場合は在庫が切れても重版しないことが多々あります。これを業界的には「品切れ、重版未定」と言います(重版しないのに、もしかしたらするかもしれないので「未定」って言うんですね)。

著者の立場から考えると、がんばって書いた本が品切れになってしまうのは、本当に残念なんですが、出版社のビジネスとして考えると、重版分はだいたい1年ぐらいで売り切りたい。1回の重版が2000部とすると、1年で消却するには、月あたり160冊くらい売れないといけないわけです。書店から追加注文をいただいて月160冊売るのってけっこう大変なんです。なので、ロングセラーとして売れている本でないと重版がかからない。つまり、必然的に「品切れ重版未定」になってしまう本が増えるというわけです。

品切れ重版未定を防ぐには、電子書籍化するか、著者が版権を引き上げて他社から改訂版を出すか。改訂版もそれほどたくさん配本できるわけではないので、いまのところ電子書籍のほうが現実的かもしれません。

在庫が余って断裁(=廃棄)されるのもつらいですが(「重版出来!」には断裁シーンも登場しましたね)、品切れ重版未定もつらいもの。できれば事前に注文をとって必要な分だけつくりたい。あるいはオンデマンドのように注文がきた分だけつくるとか。オンデマンドプリントの性能が上がり、価格が下がれば、注文がきた分だけつくるというやり方ができるのかもしれません。

最近では、ベストセラーの著者が出版社をつくり、自分で刷り部数を決めるという新しいビジネススタイルも登場。ビジネス書など読み物系の本ですでに行われている手法です。これなら品切れ重版未定にはならないですからね。

よく聞かれること

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編集宮後です。
先週、知り合いの編集者と装幀の勉強会をしました。仕事柄、タイポグラフィや印刷加工についてはよく聞かれます。特に同業の編集者からの質問が多いです。

あと、よく聞かれるのは「いいデザイナーを教えてほしい」というもの。これについては『新鋭デザイナー50組』という本にまとめたので、そちらを参照していただきたいのですが、「アシスタント探してるので紹介してほしい」みたいな相談もよく受けます。

聞かれるというのはニーズがあること。なるべく期待に答えたいのですが、根が面倒くさがりなので、本で読んでもらったり、セミナーに聞きに来ていただたり、など、一度に済ませる方法を考えてしまいます。

体系だてて話すのは苦手ですが、編集者やデザイナーのための実務的な話はできると思うので、ご要望ああれば、Book & Designのスペースでなにか企画しようと思っています。ご要望をお待ちしております!



Necktie Design Officeのオリジナルプロダクト

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編集宮後です。
今年のインテリアライフスタイル展の会場で、気になる活版のカードを見つけました。会場で製作者の方とお話したところ、かなりの文字マニアであることが判明。「お話を聞かねば」と思い、先日取材して参りました。

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(写真はすべてNecktie Design Officeのウェブサイトより)

この活版のカード「WORDS SANDWICH」を製作したのは、Necktie Design Officeのデザイナー、千星健夫(ちぼしたけお)さん。食材の名前が書かれたアルファベットのカードを選んで、LOVE、THANKSなどの言葉をつくり、パン型のカードにはさんで言葉のサンドイッチをつくるメッセージカード。「具材をかさねていくとともに、気持ちも重ねて、メッセージを届ける」というコンセプトなのだそうです。

アルファベットの文字は、木活字などをもとに千星さんが調整して版をつくり、卓上活版印刷機で印刷したもの。聞けば、ビンテージの活版印刷機を購入し、使い方を教わったのだとか(こちらに映像あり)。ムラなく刷れるまでにはかなり苦労されたそう。このサイズのカードでも一度ではきれいに刷れないため、大きいアルファベットの部分と下の小さい文字の部分を2回にわけて印刷しています。

ふかふかっとした感触のパンの部分は、篠原紙工で加工。パンの形をレーザーで焼き切っているので、断面にうっすら焦げ目が。詳しい製造工程は篠原紙工のウェブサイトにあるので、ご覧ください。

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千星さんは紙ものだけでなく、プロダクトもつくっていて、見せていただいたのがこちらのカップのふた「TEA BAG HOLDER “SHIROKUMA” 」。ティーバックのひもの先を釣り竿の先にひっかけると、シロクマが釣りをしているように見える、なんともかわいらしいアイテム。写真のように、ふたの上にお菓子や角砂糖を置くと、さらに楽しい。見た瞬間、「かわいい!」と思える魅力的なデザインが好評で、つくるとすぐに売れてしまうのだとか。

この製品は、焼物の産地で有名な長崎県の波佐見まで行って、地元の生産者とやりとりしながら製作。ウェブサイトで製造工程の写真やムービーも見られます。シロクマの目をかわいく描くのがむずかしいので、うまく描ける人を指名するなど、細部までこだわれるのもすべて千星さんが自分の目が届く範囲でチェックしているから。このこだわり具合はやっぱりすごい。

カップのふたのアイデアがおもしろかったので、「まねされたりしないんですか?」と聞いたところ、すでに特許取得済み。特許取得のための書類作成や手続きもご自身でされたそうで、「ほかの製品とどこが違うのか分析し、文章にするのが勉強になりました」とポジティブ。

デザイナーがしないようなことまで自分でしてしまう千星さん。聞けば、独立する前は、グラフィック、プロダクト、ウェブサイトなどを手がけるデザイン事務所に在籍し、幅広いお仕事をされていたそう。さらにデザイナーになる前は企業の営業職だったとか。プロレベルで製品の営業ができるデザイナーさんって初めて会いましたよ。

独立された現在は、グラフィック、プロダクト、ウェブサイトのお仕事のほか、ご自身でプロダクトをつくり、販売されています。プロダクトの企画、デザインから、製造、撮影、ウェブ製作、営業、在庫管理まで、ほかの会社では役割分担するところを一人でこなしてしまう千星さん。まさに「ひとりD-BROS」状態。インテリアライフスタイルで展示した製品も好評で、早速ショップからオーダーが来ているとか。商品はこちらのネットショップから購入できるので、興味のあるかたはぜひ。

Necktie Design Office
http://necktie.tokyo/

オンラインショップ
http://necktie.onlinestores.jp/

「『デザインの現場』とデザインメディア」報告

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ひとり編集部、宮後です。
3連休前の金曜日、皆様いかがおすごしでしょうか。

昨日、印刷立ち会いを終えて一息ついたので、先週7月10日(日)に開催した「『デザインの現場』とデザインメディア」トークイベントのレポートをアップしてみます。

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蚤の市で使用したスペース「Book & Design」初のトークイベントということで、実験的に定員20名で企画してみました。開催3週間前に出演者のTwitterとFacebookのみで告知。デザイン編集者や研究者、デザ現OBには直接メールを送りました。当日欠席される方もいらっしゃると思い、23名まで申し込みを受付。小さいスペースだからなのか、案外ドタキャンする方が少なく、ちょうど満席となりました。

15:30ごろ、デザ現バックナンバーが入ったスーツケースを転がしながら、藤崎さんが登場。打ち合わせせず、16:00からトーク開始。17:45くらいまでお話していただきました。

デザ現の歴史を年表にしてみますと、

1983年    美術手帖別冊『デザインの現場から』(当時はA5判)創刊
1984年    『デザインの現場』創刊(B5判)。創刊編集長は田中為芳氏
1986年    このあたりから藤崎さんがデザ現に加入? 編集長は出村氏
1990〜1993年 藤崎さん編集長時代
90年代半ば  リニューアル。ADが中垣信夫氏から坂哲二氏に。
1996年頃?  再びリニューアル。ADが松田行正氏に
1998年    宮後がデザ現に加入(〜2007。連載のみ〜2010)
2010年    休刊

となっておりまして、藤崎さんが退社された5年後に私が入社するので、時期が完全にずれているのですね。その間に雑誌は2回のリニューアルを経てドラマチックに変わっていくことになります。この時期のお話も当時の編集長にぜひ聞きたいところです。

藤崎さんが『デザインの現場』編集部にいらした時代は、企業やデザイン事務所など、とにかく現場に行って取材していたそう。デザイナーが仕事をしているところを撮影し、見開きか、1ページで大きく掲載。現場の雰囲気を写真で伝えるという編集意図ですね。取材先によっては仕事場の写真を撮らせてもらえず、会議室に案内されたこともあったとか。現場感を出すために、それらしい道具を並べて撮影するなど、編集部員の苦労がしのばれるエピソードも。創刊から休刊まで撮影をしてくださっていた桜井ただひささんも会場に来てくださったので、撮影エピソードなどをお聞きしました。

当時はライターが記事を書くのではなく、なんと取材先のデザイナーに書いてもらっていたそう。原稿料を抑える苦肉の策だったらしいのですが、ただでさえ忙しいデザイナーに原稿を依頼するという無茶振りは私には到底できません(創刊編集長のアイデアなんだとか...)。

『デザインの現場』は創刊時から、いろいろなジャンルのデザインを紹介するという編集方針でしたが、藤崎さんの時代は画材やクラフト系の記事も多かったそう。画材メーカーのタイアップページでイラストレーターに取材したり、曲げわっぱや人形の取材で日本各地に出張したりすることも。それらの記事のページがそれなりに多かったので、バラエティ豊かな誌面でした。

「現場をそのまま切り取ってきて誌面で見せる」という編集手法は、「批評性がない」と言われたこともあったそうですが、では「デザイン批評」とは何なのか? 藤崎さんはそれを評論家による一方的な批評ではなく、作り手と受け手が語り合うことだと考えているそう。作り手の説明によって外観からはわからなかった制作意図に気づくこともあるわけで、デザインを語り合うことはとても重要だと思えました。そしてその開かれた姿勢は、ネットによってオープンにつながっている今という時代ともマッチしているような気がします。

デザインについて語り合う機会をもっと増やしていこう、そのための場所やメディアを考えようというところでトークは終了。

この日は1994年以降の話ができなかったので、時代ごとの比較ができなかったのですが、これ以降、編集部員も大幅に替わっていくことになります。個々の編集者が「おもしろい」と思うものを記事にするので、編集メンバーが替わると雑誌の内容も変わるのです。ありふれた言い方になってしまうけれど、「雑誌は生き物」なんだなと思います。




ステンドグラスの写真集

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ひとり編集部、宮後です。宣伝で恐縮ですが、最近編集した書籍の話をひとつ。

「本当に納得できるクオリティの印刷で写真集をつくってみたい」と、つねづね思っていたんですが、今回つくった書籍『世界のきらめくステンドグラス』で実現することができました。

世界30か国のステンドグラスを国別に紹介した写真集で、ステンドグラスのきらめく光の美しさの再現が印刷のキモでした。その美しさをいかに印刷で再現できるかがカギだったので、それを確実に再現していただける印刷会社にお願いしたいと思い、『デザインの現場』の特集記事「印刷名人」で取材させていただいた東京印書館のプリンティングディレクター、髙栁昇さんにディレクションをお願いしました。

最初に10点ほどの写真をお渡ししてテストで色校を出していただき、それをもとにプリンティングディレクター、印刷営業、アートディレクター、デザイナー、編集者で集まって、製版の方向性を打ち合わせました。その場でみんなでMacのモニタを見ながら、どのくらいの明るさにするか、コントラストはどうするかなど、細かく打ち合わせていきました。オペレーターの方がPhotoshop上でちょいちょいっと操作するだけで写真のイメージがどんどん変わっていくので、どの段階でストップしていただくか、話し合いながら進めていきました。

そのあと、残りの写真もすべて簡易校正とモニタ上で確認して責了。最後は、本番の印刷にも立ち会って、インキの盛り具合をチェックして、校了しました。色校が出てから直してもらうのではなく、その場で制作メンバー全員で確認しながら修正をしていくので、やり直しなどの無駄がなく、色校正も一発でOKになりました。

全員で集まって色校正するのは一見、面倒にみえますが、何回も色校のやりとりをせずに、一度で済むのでストレスがなく、かえって楽なんです。いったん慣れてしまうと、別の方法がかったるく思えてきます。

こちらが写真集の中ページです。
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実際に現地で見る感動には及ばないものの、家にいながら世界のステンドグラスを楽しめるお得感があります。クーラーのきいた涼しい部屋で世界のステンドグラスを楽しんでいただけたら幸いです。







新潟出張

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ひとり編集部、宮後です。先日、新潟取材に行ってまいりました。

詳細は『Typography』次号に掲載しますが、取材先の方に教えていただいたのがこちら。JR新潟駅すぐ近くにある「ぽんしゅ館」。日本酒93種類の効き酒ができるという素晴らしい場所です。「ぽんしゅ館」のロゴがいいなあと思って調べてみたら、NIGN の大原健一郎さんのデザインでした。
http://www.nign.co.jp/works_detail.php?pid=362&img_num=0&cat=3&active_flg=9

お店の写真を撮ってくるのを忘れたので、こちらのウェブサイトのリンクをはっておきます。
http://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/niigataramen/3273

日本酒のラベルの文字ってかっこいいんですよね(ブログの相方、渡部さんが以前、菊水酒造の取材をしてました)。今回、うっかり日帰り出張をしてしまったのが悔やまれます。次回はもっと時間をとって、たくさんの文字を見てきたいです。

DesignTalks 02 「『これ、誰がデザインしたの?』取材裏話」トークイベント開催のお知らせ

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本とデザインにまつわる浅草のスペース「Book&Design」でトークイベントを開催します。本ブログ「これ、誰がデザインしたの?」の取材チーム、ライターの渡部さんと編集の宮後が取材の裏話をお話しします。

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出演:渡部千春(デザインライター、『これ、誰がデザインしたの?』著者、東京造形大学准教授)
(聞き手:宮後優子[編集者、元『デザインの現場』編集長])

日時:2016年9月4日(日) 16:00〜17:30

場所:Book&Design
(東京都台東区浅草2-1-14 2F/最寄り駅は東京メトロ銀座線、都営浅草線、東武スカイツリーラインの浅草駅です。朝日信用金庫となりの4階建てビルの2階です)

定員:先着順 30名、要事前申し込み

会費:1000円(1ドリンクつき。当日会場でお支払いください)

内容:
デザイン専門誌『デザインの現場』で2000年から連載を開始し、書籍化(2冊)ののち、Excite ismの公式ブログとして継続している長寿連載「これ、誰がデザインしたの?」。ロゴやパッケージなど、身の回りのものがいつ誰によってデザインされたのか、当事者を取材する記事としてスタートし、16年間で100以上の企業やデザイナーを取材。これまでに、企業のロゴや、ビール、カップ麺、お菓子のパッケージなど、誰もが知る定番デザインの意外な誕生秘話を紹介してきました。
Excite ism 公式ブログ「これ、誰がデザインしたの?」
http://blog.excite.co.jp/dezagen/
過去に取材したもの:日本航空のロゴ、キリンビール、カップヌードル、ポッキー、キャンパスノート、MONO消しゴム、アラビックヤマト(やまと糊)、パスポート、年賀はがき、切手、プロ野球のユニフォーム、サッカーチームのロゴなど

今回のDesignTalksでは、デザインライターでこの本の著者である渡部千春さんをお招きし、取材に同行した担当編集者が聞き手となり、取材の舞台裏についてお聞きします。記事には書けなかった取材時のエピソードなども交えて、普段は聞けないお話をしていただく予定です。デザイン関係の仕事や勉強をされている方はもちろん、デザインに興味がある方々もふるってご参加ください!

会場は、本とデザインにまつわるイベントを開催するスペース「Book&Design」(「浅草デザイン蚤の市」会場)です。蚤の市で販売した各種デザイン雑誌のバックナンバーも直接手にとって見ていただけます(販売あり)。今後は、さまざまなゲストをお招きし、本とデザインに関連したイベントやセミナーを不定期開催する予定です。

申し込み方法:
参加ご希望の方は、お名前、参加人数、メールアドレス、携帯電話など当日のご連絡先(緊急連絡用)、渡部さんへの質問(質問がある方のみでかまいません)をご記入の上、以下の宛先までメールでお申し込みください。折り返し、受付完了のお返事をいたします。会費は当日会場でお支払いください(1万円札はご容赦ください)。お申し込み後、欠席される方はお手数ですが、ご連絡いただけますと幸いです。

 申し込み先:y.miyago(アットマーク)gmail.com
 件名:DesignTalks 02申し込み

リオオリンピックは楽しいのかもしれない

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ブログご無沙汰のライター、渡部のほうです。

大学の前期が終わって(7月30日)から、しばらく家に引きこもっておりました、いや、引きこもってます。

(です・ます調が苦手なので、以下、だ・である調で書きます)

引きこもりにはうってつけのような今年の夏。
天気はもやっとしてるわ、家ではテレビでオリンピックが見れるわ。
このままだと歩けなくなるんじゃないかと思うくらい引きこもっているのだが、まあ、個人的なことはさておいて、オリンピックのテレビ及びオンライン放映を見ていると、デザイナーの仕事が多いということに改めて気付く。

デザイナーの仕事なのかどうかよく分からないが、陸上のゼッケンがA4のOA用紙みたいなもので驚いた。多分布なのだろうが、安全ピンで止められ、選手によってはべろんべろんにユニフォームに止まっているので、見ていて辛い。
各布、繊維メーカーが一秒でも記録を!と作っているであろうユニフォームが台無し。

というのはびっくりしたところだが、びっくりしてないところでは、
水泳プール後ろの幕(なぜ、幕なのだろ?)、観客席の幕、競技器具それぞれに付けられるロゴ(の位置やマニュアル)、表彰台、表彰と言えばメダリストに渡されるフィギュアみたいなもの(あれ、何だろう…)、表彰する人の服(少なくともネクタイとスカーフ)、レフリーのユニフォーム、レフリー他選手以外の関係者の身分証明(首からぶら下げてるもの)、観客用のサインシステム、ちらっと見える選手が準備をしている場所でのロッカーの表示、サイン、見た事ないけど、チケット、座席表示、あと開会式と閉会式もあるなあ。

メディアの側も、IOC、JOCのオフィシャルサイトだけでなく、各マスメディアによる特設サイト。
競技場ではカメラワークが段々ハイテクになっていて、選手の目の前で見ているような見せ方もあれば、記録を確認するためのカメラチェック、とはいえ、ここらへんはデザイナーの仕事じゃないか。

書き出していったら本当にきりがなくなってきた。

エンブレムや競技場、メダル、ピクトグラム、ポスターなどは注目を浴びている、が、一方で目立たないながらも、デザイナーの仕事がそこかしこにある。

ゼッケンを見た当初、これはどうなんだろう、と思ったのだが、昨日知人が「開会式がおかんアートみたいだった」と言うのを聞き、全体的にどこかユルめなリオオリンピックもおかんアートだと思うと、まあ、それはそれか、という気にもなり、そう考えるとかなり楽しい。
あんまり完璧を目指さないほうがいいのかも。

仙台七夕まつり 鐘崎の七夕飾り

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編集宮後です。以前、箔押しマスキングテープの取材をさせていただいたデザイナーの小玉 文さんが仙台七夕まつりの七夕飾りをデザインされたとうかがい、詳細をお聞きしました。

仙台七夕まつりは東北三大祭りの一つで、江戸時代初期から続く歴史ある伝統行事。8月6日から8日の3日間、仙台中心部の商店街に約3000本の七夕飾りが飾られ、約200万人が訪れるというビッグイベントです。

仙台で笹かまぼこの製造・販売をしている会社「鐘崎」が「七夕飾りをもっと魅力的にしたい」と、2014年から「未来の七夕プロジェクト」をスタート。若手実力派のデザイナーに七夕飾りのデザインを依頼し、今までにない七夕飾りの制作に着手したそうです。一昨年と昨年は髙谷廉さんが、今年は小玉 文さんがデザインを担当。「斬新な印象の七夕飾りをつくりたい」というクライアントの期待に応えるべく、デザインの挑戦が始まりました。


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小玉さんは笹かまぼこを白い提灯で表現し、かばぼこの原料となる「きちじ」という魚が昇っていくようなデザインを提案。仙台の七夕飾りにはビニールなどの素材ではなく、すべて紙を使うことから、魚の部分にはファンシーペーパーの「タント」を使用。折り紙の専門家に依頼して、きちじの形になるように紙を折っていただいたそう。かなり緻密に魚の形が再現されています。

1本の七夕飾りに9色のタントをグラデーションで使用し、50匹の魚を設置。飾りは全部で5つあるので、合計250匹の魚が天に昇っていく様子は圧巻です。魚の下の吹き流し部分には、人にあたっても痛くないよう、柔らかい和紙を使用。和の雰囲気を保ちながらも、見たことのない斬新なデザインに仕上がりました。コンテストでも見事、金賞を受賞し、「鐘崎さんならではのものが出せて良かったです。文化事業にも力を入れてこられた鐘崎さんの心意気がこの七夕飾りで伝わるといいなと思います」と小玉さん。


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毎年、似たような七夕飾りが多いなか、惰性にならず、常に新しいことにチャレンジしていきたいという老舗企業の心意気とそれに答えたデザイナーの仕事。従来、デザインされてこなかったところにデザイナーが関わった事例として興味深くお話をうかがいました。このような取り組みはぜひほかでも見てみたいと思います。

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